(セシア視点)
空高く飛んだロケットは重力加速度が凄すぎて私は押し付けられるように うずくまってた…小窓から見たらどんどん地面から離れて行く もう、兄の姿は見えなくなり…小窓の向こうの空を見上げた
私はパパがこうやって空高く飛んだと思うと胸が高鳴って嬉しかった。
私もパパと同じ事が出来る事が誇らしかった。
何も出来ない家に閉じ籠ってた私が…こんな事が出来た事が、とても嬉しい判明…誰かに、家族に褒めて欲しかった…。
誰も居ない空間に私は一人ぽつりと呟く…誰にも聞こえる筈が無いのに…
セシル「…どうした…?セシア…。」
兄の声が聞こえた様な気がした…。
私は、心の何処かで 寂しいと思った。
それに気が付いてしまって、色々我慢してた事が溢れて私は泣いていた。
泣き出すと止める事が出来なくなり…空を飛ぶ中 私は目が赤くなるまで泣いた…
まるで、詰まってた思いを涙に乗せて沢山泣いて…鳴いて…
私は、いつの間にか寝てしまった。
~夢の中~
私はママに涙を拭ってもらった
パパに急に肩車をされて戸惑う私を優しく微笑む
ママは写真を撮る為に写真屋のオジちゃんを呼んで家の前に集合した。
兄に目隠しをされた私
急に視界が明るくなって眩しかった…
急にパパに家族皆が抱き寄せられた。
写真撮影が終わった瞬間ママは顔を赤くして顔を手で隠してた
パパはしてやったりとドヤ顔で にぃにはボッーと空に飛んでる蝶を見つめてた…。
にぃには私に手を出してた…私は笑顔で
私達は家に帰り…家族揃って笑い合い…そんな他愛のない幸せを…噛み締めてた。
ゴ~ン、ゴ~ン♪
何処かで、鐘の音がする……。
私は、目の前の夢に気がついた時…暗闇の中に包まれた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!