第6話

ユニット
67
2021/10/08 07:32

そして,私はなにわ皇子に入った

嬉しかった



初めてのグループ



初めてグループを名乗れる



私はジャニーズ事務所に入ってから


沢山の



初めて


を経験した



沢山の事を覚えて




そして私のファンの方も次第に増えていった



こんなにも嬉しいと感じたのは




これも初めてだった





私はなにわ皇子となり





沢山のお仕事を貰った




グループの仕事




と言うよりは


私だけの仕事が多かった



ドラマや声優業にも出させてもらった



ありがたいことに仕事をいただけた




その代わり,マイジャニの出演は疎かになった




SNSでマイジャニと調べれば




@やっぱり諏訪がいないほうが良い

@杏奈ちゃんどうしたのかな?

@この方が落ち着く戻ってくんな

@辞めてしまえ

@杏奈ちゃんのドラマ見てるよ〜

@正直,諏訪って人男目当てにしか見えない

@応援してるから頑張って!!

@消えろ

@◯ね

@ここ合コンとか出会い系の場所じゃないですけど

@中3だし周りも彼氏作り始めて焦ってるの?笑

@かわいそう笑笑

@いっそのこと辞めて,普通に暮らせば?笑笑

@目障り

@諏訪のこと認められない







沢山のコメントが



私はよく考えた



なんで…こんな目に?




なんで私は、




ジャニーズに?



どうして?


親の言いなり?


そうこう考えてる時



プルルルル

「ん?」

携帯には


とーまちん

の文字


そう,金内柊真

「めずらしい」

「もしもし?」

金「杏奈…」

「どうしたの?体調悪い?」

金「いや…」

「悩み事?相談?」

金「少し違うんだけど…杏奈は鋭いなぁ」

「ん?」

金「俺…さ、」

私はその時嫌な予感がした

「う、うん」

金「ジャニーズ…辞めようと思う」

「へ、?」

予想は的中

なんで分かったかって?

私の同期もデビュー出来ないことに

悔しさを持って

辞めていった

「深くは聞かんけど…なんで?」

金「俺,そろそろ進路考えなきゃじゃん?」

「うん」

金「大学行くか,ジャニーズで居るか…」

金「でも,デビュー出来そうにないし」

金「このままずっとJr.やり続けて,家族に心配掛けたくないし」

「…」

金「俺さ…美容師になりたいねん」

「びよ…し?」

金「そう…やから美容学校行こうと思ってて」

金「そうなったらジャニーズと両立はキツイかなって」

「ウゥ」泣

金「ん?杏奈?泣いてんの?」

「だ、だって…」

「私が入った時から,ずっととーまちんが
 お兄ちゃんみたいに接してくれて」

「女やから,嫌われるかなって思ってたら」

「とーまちん…凄い優しくて」

「私がレッスンずっとやてたら,
 無理すんなよって声かけてくれたり」

「とーまちんがおったから,私頑張れてん」

「マイジャニ引っ張ってたのも,とーまちんやし」

「とーまちんがおらんかなったら私…無理や」

金「ありがとうな」

金「杏奈の気持ちは伝わったでグズッ」

金「でも,俺の決意は固まってるんよ」

金「今まで,杏奈の笑顔に救われてたで」

金「俺は,美容師になるから杏奈は」

金「俺の分まで,頑張るんやで」

「とーまちん…」

金「ほんまにありがとうな」

金「またどっかで会おうな」

「うん…グズッ」

「私…とーまちんの分まで頑張るグズッ
 せやからグズッとーまちんも頑張ってグズッ」

金「ありがとうグズッ」

金「ほな,ジャニーさんのとこに行ってくるわ」

「きぃつけてな」

金「ありがとうグズッ」

金「バイバイ」

「バイ…バイ」





突然,とーまちんが事務所を辞めた







そして,とーまちんが辞めてから数ヶ月後





ジャニーさんに平野・永瀬・私が呼び出しされた

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