前の話
一覧へ
次の話

第1話

菅原さんの場合1
3,116
2018/07/18 10:19
あなたと菅原くんはクラスメイト。

隣の席なんです。

実は最近菅原くんの様子がおかしいの。

なんか…落ち込んでる?

「あの…菅原くん?」

声をかけると、へにゃっと笑って

「んー?どしたー?」

ドキッとしてしまう。

でも…駄目だよ。だって菅原くんには清水潔子

ちゃんって言う可愛いマネージャーが近くにい

るんだもん。2人が話すところをよく見るし…

まぁそれはともかく、

「なんか…その、疲れてそうだったから。
大丈夫?」

菅原くんは一瞬目を見開いて、嬉しそうに笑

う。そして

「心配してくれてありがとな!!!!」

こんな小さいことにいちいちドキドキしてしま

う。好きになりたくないのに止まらない。

…苦しい。辛い。みじめ。

ずっとだんまりしていたのを不審に思ったのか

「…?あなた?どした?さっきから」

はっとする。

「あ、えっと…だ、だいじょ…「ちょっと!」びくっ」

すると私の前に3人の女子が立っていた。

「ねェ、ちょっとあなた。ついてきてくれる。話があるんだけど。」

彼女たちはにこやかな笑みを浮かべているが、

その裏には憎悪が隠されている。

「う、うん…。じゃあ、ね。」

ほんとは行きたくなかったけど断れば面倒くさ

そうだった。

それから女子トイレに連れて行かれた。

3人は私を囲むようにして、壁に押しやる。

「あんたさ、菅原くんに近づきすぎなの。」

「あ、もしかして、ゲット出来るとか思ってんの?」

みんなして同じようなことばかり。

傷つかないわけじゃない。けどそれ以上に

清水さんの顔が浮かぶ。

すると、

「何やってるの。」

冷たく、刺すような声。

「な、何よ!アンタには、清水には関係ないじゃない!」

「関係なくないわ。その子、私の友達だもの。」

3人は悔しそうに去っていった。

「大丈夫?あなたちゃん?」

何故かほっとして泣いてしまった。

すると清水さんはおろおろして、保健室に連れ

て行ってくれた。


…続きます。次で菅原編は終わりです。

プリ小説オーディオドラマ