第3話

岩泉一くんの初恋
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2018/07/19 10:50
私、あなたは悩み事がある。

それは…

「おいっ!!!!マネージャーはやくしろよ!!!!」

ビクッ。

「すっ、すみません!」

私はバスケ部のマネージャーなんだけど、マネ

ージャーは私しかいないから、どうしても手の

まわらないところができてしまう。それと大き

な大会が近いというのもあり、ピリピリしてい

るのだ。

…まぁ結局大会なんて関係なかったけど。

ある日の放課後、私は教室でひとり、ぼーっと

考え事をしていた。

…もう、やめた方がいいのかな。

昔はこんなんじゃなかった。みんながみんなを

思いやって、苦しい練習も声を掛け合って。

いつからこんなに部活が苦痛になったんだろ…

目頭が熱くなってきた。

…だめ、こんなとこで泣いちゃ。

目を擦っていると、ドアが開く音がした。

「……あなた?」

「い、わいず、み、くん?…ぐすっ」

岩泉くんが目を見開いた。

ごめんね。なんでもないから。

そう言いたいのに嗚咽が邪魔する。

「あなた…なんかあったのか?…」

「なっ、んでも、ひっく、ないから。ぐすっ」

すると、岩泉くんはそっと私の手を引いて

「無理、すんなよ。俺でよかったら聞くし、クラスの誰にも言わねえからさ。」

この時の私は相当弱っていたのだろう。

「う、んっ。あ、りがとっ」

そして岩泉くんに部活のことを話した。

「それで、っやめた方が、いいんじゃないかって、つら、くて…」

それだけ話し終わると泣きじゃくってしまっ

た。

岩泉くんもあきれてるよね…。

と、目の前が真っ暗になって、石鹸の匂いが鼻

をくすぐった。

岩泉くんのゴツゴツした、でも優しい手が私の

頭を撫でる。

「そっか。…辛かったな。無理、すんなよ。」

そのまま、岩泉くんの腕の中でずっと泣いてい

た。

…私たちのことを見ている人がいるとも知らずに

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