第7話

月島くん
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2018/07/25 09:50
高校生になって1ヶ月がたった。

烏野高校に入学したあなたは、高校生活

を楽しんではいなかった。知り合いは少ないし

人見知りはするし…。

今週、週番なんだよね。日誌書かなきゃ。

そう思って放課後ひとり教室に残っていた。

するとドアを開ける音がした。

そっちに視線を向けると、

「月島、くん…?」

クラスメイトの月島蛍くんがいた。

最初はイケメンって騒がれてたけどだんだん無

愛想だって言われ始めた。最近は女子嫌いだっ

て噂もあるくらい。

「…なに?」

「…えっ?」

月島くんは溜息をひとつついて、

「さっきキミが呼んだんじゃん。僕の名前」

思い返してみると…。

あっほんとだ。何してんの私!

「あ、えっと、びっくりしただけで無意識というかなんというか…。
うーん…ごめんね。」

すると月島くんは

「別に怒ってないし。謝んないで。」

うっ…。言い方きついな〜。でも私が悪いし…

気を取り直して日誌書こう!

そう思ったとき…

私のスマホが鳴った。スマホを見ると、幼馴染

からだ。勇くんこと金田一勇太郎は幼稚園から

の付き合いなんだ。

「どしたの?」

急に話しかけられて、固まっていると

「なんか、スマホ見てにやにやしてたから」

「えっ!ほんとに!」

割と本気でびっくりしていると、月島くんは笑

い出した。

「なんで本気にすんの。はぁー笑った。」

月島くんの意外な一面。少し嬉しくなった。

「で、何してんの?」

「え?私…が?」

戸惑いつつ聞くと月島くんはまたお腹を抱えて

笑い出す。

「なんなのほんと。はぁ、お腹痛い。笑いすぎた。あ、うんそう君に聞いてんの。」

そう言って私の前の席に座る。

「えっとね、今は日誌書いてました。」

月島くんは「ふーん」とだけ言って寝始めた。

(なんか…自由な人だなぁ。)

でも悪い気はしない。

そこで私ははっとして、急いで日誌を書いた。

書き終わったところまではよかった。

(…起こした方が良いのかな。)

さすがに放っておくのもあれだし…。

そう思って怒られるの覚悟で起こそうと思っ

た。

「つっ、月島くん!あの、もう教室閉めないといけないから起きて!!!!」

必死に起こしていると

「…ん〜。あなた?」

そう言ってふにゃっと笑った。ドキッ。

えっ?!なになにどしたの月島くん!

やめてー!どきどきしてしまったよー!

ひとりで焦っていると、月島くんは立ち上がっ



「じゃあね。あなたばいばい」

そう言って教室を出ていった。

(…私も帰ろ。)

教科書を少し詰めただけのリュックを背負って

学校を出た。



続きます。

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