第13話

年下のアイツ3
1,748
2018/08/22 11:06
~赤葦side~

俺は今ものすごい自己嫌悪に陥っていた。

(あー、やっちゃった。多分俺嫌われてるよな…)

今は休憩中で一人で涼めるところに来ていた。

と同時に昨日のことを後悔していた。

(いや、あの人の場合忘れてたり…するわけないか)

さらに思考を巡らせていると、奥の廊下から珍

しく走ってくる孤爪を見つけた。

「孤爪?どうかしたの?」

「あ、赤葦。ちょっとこっち来てくれない。行きながら説明するよ」

そう言って来た道を戻っていく孤爪について行く。

「で、何があったの。孤爪が走るなんて珍しい。」

するとムスッと頬を膨らませて

「それは今はいいよ。それよりあなた先輩が…」

「弥生先輩!?」

すると孤爪は呆れたように溜息をついて

「うるさい……。ほら、あっち。はやく」

孤爪の指の先を見ると弥生先輩がいた。

「弥生先輩?俺のこと分かりますか?」

駄目だ。これは……

「孤爪、猫又監督と直井コーチに連絡頼む。
俺は弥生先輩を保健室連れてくから」

俺は孤爪の返事も聞かず弥生先輩を保健室に運

んだ。

ベッドに寝かせて首の辺りに氷嚢を当てる。

すると先輩は目を開けた。

「…ん……?赤葦、くん…?」

「そうです!分かりますか?」

すると先輩は目を逸らして

「大丈夫……だから、練習に、戻って…」

やっぱり先輩は俺のこと嫌いなのか…。うすう

す気づいていた事がこんなに辛いなんて。

「嫌です。また倒れたらどうするんですか」

先輩は俺を睨みながら

「別にいいじゃん。赤葦くんには関係ない。……そうやってさ、思わせぶりなことするから勘違いするじゃん。」

「なにそれ。どういう意味ですか。」

「……分かってるくせに。」

今まで先輩と喧嘩と呼べるものをした事の無い

俺は大分戸惑っていた。

するとドアの開く音がした。

「あっ、あなたちゃん〜!大丈夫??ごめんね気づけなくて!」

「ううん…。へーき、だよ。」

雀田先輩だった。

「あ、赤葦。あとあたしがここにいるから試合戻ってやって。木兎がうるさくてね〜
あと……」

あなたちゃんとなんかあったんでしょ?ちょっと頭冷やしてきな

俺にしか聞こえない声でそう言うとさっきまで

俺が座っていた椅子に腰を下ろした。

俺は何も出来ずに保健室を去っていった。

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