第8話

図書館にて
2,245
2021/03/09 05:16
図書館にて
(なまえ)
あなた
おー!
この本、面白そう…!!
私は、好きな作家さんの本を手に取った。

勿論、ミステリーだ。
レイ
レイ
あなた、決まった?
(なまえ)
あなた
うん!
大体決まった!
(なまえ)
あなた
レイは……
レイを見ると、両手いっぱいにあなたのペンネームの本を持っていた。
レイ
レイ
ん…?
レイ
レイ
どうかした……?
レイが、きょとんとした顔で聞いてきた。


私は、とても嬉しかった。



私の本をこんなに読んでくれるなんて……!!!!
私の彼氏、最高すぎる!!
(なまえ)
あなた
ううん!
(なまえ)
あなた
何でもない!!
ニヤけが止まらない。
レイ
レイ
あ、そう?
私がニヤけてるのを見て、レイがいぶかしげな表情を浮かべた。
         ・・・
あなたの家にて
(なまえ)
あなた
ただいまー!
お母さん
お母さん
おかえり。
私は、手を洗って食卓に着いた。

テレビがついていた。
テレビ
高校生作家、あなたのペンネームさんが、本屋ミステリー大賞の金賞を受賞しました。
(なまえ)
あなた
………
テレビ
高校生でミステリー大賞の金賞受賞するのは、史上初で……
お母さん
お母さん
あなた、すごいじゃない?
お母さん
お母さん
おめでとう。
(なまえ)
あなた
ありがとう。
(なまえ)
あなた
お母さんのおかげだよ。
(なまえ)
あなた
お母さんが、いつも美味しいお弁当、
作ってくれるからだよ!
私は、母子家庭だ。

父親は、私が小学校低学年のときに亡くなってしまった。
(なまえ)
あなた
はい、賞金50万円。
(なまえ)
あなた
これで、凛に何か買ってあげてよ?
私は、母に賞金を渡した。

凛というのは、私の妹だ。

今は中学生。 


学校だろうか……?
今日はまだ帰っていない。
お母さん
お母さん
悪いわ…
あなたが使っ……
(なまえ)
あなた
私は大丈夫。
(なまえ)
あなた
欲しい物とか無いから。
(なまえ)
あなた
だから、お母さんと凛で使って…?
私が、お母さんに押し付けると、お母さんは、諦めたように受け取ってくれた。
お母さん
お母さん
ごめんね…
(なまえ)
あなた
ううん、謝らないでよ?
(なまえ)
あなた
私は、二人に喜んでもらえるのが嬉しいから。
私は、少し笑った。
お母さん
お母さん
ありがとう…無理しないでね。
お母さん
お母さん
何か学校で必要な物とかあったら、言ってね?
(なまえ)
あなた
うん!
つづく…

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