あなたside
「………嫌いだ」
そう言われた時、理解までに時間がかかった。
バカみたいだ……
勝手に好きになったのは私で…
勝手に舞い上がったのも私で………
勝手にドキドキしたのも私…………
片想いって、なんて自分勝手なんだろう。
それでいて、
たった一言、
「嫌い」…………
そう言われることが、振られることが、こんなにも悲しいなんて……
そもそも、告白から間違えたのかなぁ……
罰ゲームで告白されるだなんて、誰でも嫌だよね……
偶然レイは優しくて、私と付き合ってくれただけなんだよね……?
つまり結局は……
現実は……
レイが、私に魅力を感じなかっただけ。
その結果が自分に返ってきただけ。
いや、最初から……分かってた………
だからこそ、その現実を受け入れるのが、辛い………
「人の為に“泣くこと“が出来るのが、一人前の人間」だってよく言うけど……
私には……
そんなことは……出来ないから。
それでも……
私はレイが……
レイのことが……
「好き」だったから……
あのさ………もう……泣いてもいいかな…………?
つづく…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。