第15話

嬉しそう……
2,115
2021/03/13 12:01
レイ
レイ
………ってことがあってさ!!
レイ
レイ
で、もらったのがこれだよ!!
レイ
レイ
まだ出てないんだぜ?
レイの手にあるのは、昨日私が書いたサイン本。



そして、今日この話は、7回目。


サインが、よっぽど嬉しかったのだろう。



レイに喜んでもらえて、勿論私も嬉しいが。
(なまえ)
あなた
良かったね!
私は、レイの嬉しそうな顔をにこにこしながら眺める。
レイ
レイ
それにしても、あなたのペンネームさん、お前と似てたんだよなー!
(なまえ)
あなた
………!
ドキッとする。
レイ
レイ
雰囲気?
レイ
レイ
話し方?
レイ
レイ
分からんが似てたんだよなー!
(なまえ)
あなた
へーっ!
良かった……!!バレてない!!



危なっ……!!





でも、心配は無いだろう。

話したのは、一瞬だったし…
いつもの格好と、全然違ったし……!!




うん!多分大丈夫!!
レイ
レイ
おーい?
レイ
レイ
聞いてる?
(なまえ)
あなた
は、はいっ!!
私は、レイに話しかけられていた事に気づいて、
ハッとした。
レイ
レイ
大丈夫か?ボーッとして?
(なまえ)
あなた
大丈夫!
レイ
レイ
この前みたく、倒れないか?
(なまえ)
あなた
大丈夫!大丈夫!
レイ
レイ
なら良いけどさ…
レイは、私の頭の上に手を置いた。
レイ
レイ
無理するなよ。
レイ
レイ
お前、一人で抱え込もうと
するところがあるだろ。
レイ
レイ
だから……
(なまえ)
あなた
だから…?
レイ
レイ
要するに、心配ってことだよ。
レイ
レイ
心配かけるなってこと…
(なまえ)
あなた
………わかったよ。
(なまえ)
あなた
心配かけない。
(なまえ)
あなた
約束する。
私は、そう言ってレイを見た。
レイ
レイ
約束、だからな。
レイはそう言って、私の頭をくしゃっと撫でた。



すると……
ノーマン
ノーマン
お熱いところ、ごめん。
エマ
エマ
レイ、先生が呼んでる。
ノーマン
ノーマン
屋上庭園だって。
横を見ると、クラスメイトのエマとノーマンが立っていた。
レイ
レイ
あ、そ。
レイは、私の頭から手を離した。



私は、少し名残惜しそうにレイを見ると……
レイ
レイ
大丈夫。
レイ
レイ
すぐ戻るから。
レイは、ニコッと笑った。
(なまえ)
あなた
うん……
レイ
レイ
そんな顔するなよ…
レイは、少し笑って………
レイ
レイ
そんなに俺と居たいのか?
私に聞いてきた。
(なまえ)
あなた
ずっと、一緒に居たいくらいだよ?
レイ
レイ
っ……//
エマ
エマ
おぉ~っ!!
レイ
レイ
………あー//
レイ
レイ
俺、すぐ戻るから//
レイは照れたのか、顔を真っ赤にさせて、廊下に出ていった。
ノーマン
ノーマン
あなたの名字さん、流石だなぁ!
(なまえ)
あなた
流石…?
エマ
エマ
あのレイを赤くさせるなんて、
エマ
エマ
すごいよ!
エマはニヤニヤ笑っていた。
(なまえ)
あなた
そうなの?
ノーマン
ノーマン
うん!
ノーマンも、笑いをこらえている様だった。
エマ
エマ
幼馴染の私達でさえ、
エマ
エマ
レイのあんな顔、見たことないもん!
(なまえ)
あなた
へーっ…!
そうなんだ…!
ノーマン
ノーマン
レイは相当、あなたの名字さんに
惚れてるみたいだね。
(なまえ)
あなた
そ、そうなの?
(なまえ)
あなた
でもレイ、全然そういう感じ
ないんだよね…
やっぱりそういうのは、直接言わないと駄目なのかなぁ……


でも、自分から「好きだって言って欲しい」って言うのもなぁ……何か気が引ける。

ただでさえ、この前倒れたときも、迷惑かけたのに……



考えていると、ぽんっと肩を叩かれた。
レイ
レイ
あなた、帰るぞ。
振り向くとレイがいた。
(なまえ)
あなた
うん、帰ろ。
ノーマン
ノーマン
レイ、ちょっと…
ノーマンは、そう言ってレイに耳打ちした。
(なまえ)
あなた
………?
エマ
エマ
………?
レイ
レイ
…………そうか。
ノーマンは、私に笑いかけると
ノーマン
ノーマン
じゃあ、また明日。
そう言って、教室を後にした。
エマ
エマ
あ、ちょっと待って、ノーマン!
それを追いかけるエマ。
エマ
エマ
じゃあね、あなた!!
レイ
レイ
…………あなた、帰るぞ。
こころなしか、レイの元気が少し無い様に見えた……のは気のせいかな………?



つづく…

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