第27話

レイside③
1,771
2021/04/10 12:44
レイside
色々、考えているうちに、何だか考えがまとまらなくなってしまった。


嫉妬心しっとしんも、おさまらないし……




そうこうしている内に、あなたが来た。
(なまえ)
あなた
レイ、お待たせ!!
レイ
レイ
んー、お疲れ様。
(なまえ)
あなた
レイこそ!
受付、お疲れ様!
あなたは、笑顔で俺を見たと思うと……
(なまえ)
あなた
………あれ?
(なまえ)
あなた
元気ない?
見透みすかしたような目で、俺をみる、あなた。



俺は、そんなあなたに、なぜかイラつきを感じた。
レイ
レイ
いや、そんなこと……
(なまえ)
あなた
そうなの…?
(なまえ)
あなた
大丈夫?もし何か…
そう言って、俺の顔を心配そうに見つめるあなた。


そんな彼女に、俺は言った。
レイ
レイ
大丈夫って言ってるだろっ!
俺の大声に、驚いて身を退くあなた。
(なまえ)
あなた
………そ、そっか…
レイ
レイ
………
俺は、黙ってうつむいた。
(なまえ)
あなた
何か、その…ごめんね。
あなたは、申し訳無さげに謝った。
レイ
レイ
何で謝る?
(なまえ)
あなた
今日、色々あったから……
(なまえ)
あなた
だから、レイ疲れてるのかなって…
(なまえ)
あなた
受付も大変だったんだろうし。
(なまえ)
あなた
ほんと、私はいつもレイに
助けてもらってばかりだし。
レイ
レイ
……
だから……


そういう、お人好しすぎるところが……
(なまえ)
あなた
レイ……?
また、こっちを見る、あなた。


その顔は可愛いくて、透明感があって……


だから俺を……


そんな顔で………






レイ
レイ
……こっち見るな。
(なまえ)
あなた
え……?
考えているうちに、更に、何がなんだか分からなくなってきた。




そこで、俺は、最大の失態ミスおかした……











レイ
レイ
………嫌いだ。
(なまえ)
あなた
……………



見ると、目の前のあなたは、目をまんまるにして……



驚いていた。



(なまえ)
あなた
……………………
そこで俺は……




気づいた………………




「嫌いだ」だけでは、大分意味が変わってしまうことを。







俺は、あわてて言い直そうとしたが、もう時すでに遅し。
(なまえ)
あなた
………………………そっか。
(なまえ)
あなた
嫌い……かぁ…
(なまえ)
あなた
嫌い……なんだ…



あなたは今にも泣きそうな顔で、そう言った。




(なまえ)
あなた
何か……その……
それが……

涙目で俺の方をチラチラと見る、あなたが……

あまりにも痛々しくて、俺は後悔こうかいした。
レイ
レイ
……………
(なまえ)
あなた
結局、全部私の片想いで、
レイは、私の事嫌いだったんだね。

あなたは、無理やり笑っていた。



それを見た途端とたん、ズキンズキンと、胸の奥が痛んだ。
レイ
レイ
いや…そんな……!!
(なまえ)
あなた
いいよ、いいって……
(なまえ)
あなた
…………無理、しなくて。


そう言っている、あなたは、大分無理をしているようで、顔色が悪かった。

(なまえ)
あなた
ほんとに、色々ごめんね……
(なまえ)
あなた
レイ、私と付き合ってくれてありがとう。
あなたは、そう言うと俺の横を、け抜けた。







俺は、あなたの手をにぎろうとして……









握れなかった……
あなたの涙が見えたから……






見た瞬間しゅんかん、自分が泣かせて、流させた涙だと理解したから……




つづく…

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