第89話
🏐 ×89
将洋side
みんなにこんな話する時が来るとは思ってなかった
彼女を作らなかった理由はそれだけじゃない。
俺はあなたが好きだ。
昔も今も変わらずずっと、
あなたを好きな期間は
有志よりも長い自信ある。
でも今はそんな事を張り合ったって意味ないし
あなた達は幸せそうだから、
二人の仲を壊すつもりはさらさらない
俺はキャプテンとして、先輩として
二人の幸せを願ってるよ。
あぁ。あなたのこういう所だ
あなたの事忘れようとしたのに、
好きって気持ちなんか隠そうと思ったのに
あなたはいつも誰も気付かない事に気付いてくる
そんな所に俺は惚れたんだ。
誰かに気付いて欲しかった、でも
誰にも気付いてもらえない
バレーも、勉強も、恋も何もかもが
上手くいかなかった大学2年の時
そんな時、あなたが声掛けてくれた。
俺の気付いて欲しいものに
気付いてくれた唯一の人だった。
俺はそんなあなたに惚れたんだ。
そんな事を考えていたら、
自然と涙が溢れてきた。止まらない。
涙ってどうやって止めるんだっけ...?
この優しさが辛いんだ。
でも今は、
どうしても甘えたい...。
俺はあなたの胸の中で泣いた。
俺よりも細いくせに、
俺よりも背が高く、腕が長い
あなたの体に包まれて。
男としては恥ずかしいけれど、
今はこうするのがよかった。こうしたかった
あなたの胸で泣いてしまった。
あぁ。これはマンガの世界だろうか
面白いくらいに
あなたは俺がかけて欲しい言葉を言ってくれる
ますます好きになる。
どんどん惚れる。忘れようと思っても
そんなの出来ない。
俺が悩んでることは分かってくれる。
でもその内容はあなたには分からない。
今告白するべきか...