第36話

A Rally(2)
974
2021/08/21 17:00









今日も万次郎のバブの後部座席に乗せて貰い、集会の地である武蔵野神社へと向かった。


途中で拾ったエマちゃんを後ろに乗せたドラケンと共に現地へとバイクを走らせたが、

辿り着いた頃には既に大方の人数が集まっていた。

龍宮寺 堅(ドラケン)
着いたぞー。
佐野 エマ
龍宮寺 堅(ドラケン)
おーい…エマー…
佐野 エマ
……
龍宮寺 堅(ドラケン)
おい、エマ。下りろって!
佐野 エマ
やだやだやだ!下りたらケンちゃん直ぐにマイキーのとこ行っちゃうじゃん!


エマちゃんが駄々を捏ね始めると、

ドラケンは何とかバイクから下ろそうと初めは彼女の駄々に付き合っていたのだが…

龍宮寺 堅(ドラケン)
じゃ、ずっとそこに居ろー。
佐野 エマ
えっ?!?!
龍宮寺 堅(ドラケン)
俺はマイキーんとこ行く。
佐野 エマ
ウソッ!!!
龍宮寺 堅(ドラケン)
ウソじゃねーよ。俺は知らねーぞー。
佐野 エマ
もー!ケンちゃん!!!



(あははは…)



今回のエマちゃんVSドラケンの闘いも変わらず…



勝者、ドラケン。



いつも思うが、東卍ウチの副総長 龍宮寺堅、通称『ドラケン』は、

中学3年生とは思えぬぐらい大人っぽい。



考え方もしっかりしていて、人としての中身が東卍の中で最も完成系に近い人間の1人だと、私は思ってる。


色気凄いと思うし、身長も185cmと大きいから、高校生だと間違えられることも屡々。




(仕方ないよ、エマちゃん。ドラケンは中身が大人っぽすぎるから。)




ぶう垂れたエマちゃんに振り返りもせず、ゆっくり此方へと歩いてくるドラケン。


2人のその状況にクスクスと笑っていると、

「何笑ってんだ。」と不満そうなドラケンが私に歩み寄りながら聞いてきた。


あなた
いやぁ、微笑まし過ぎだろって思って。
龍宮寺 堅(ドラケン)
はぁ?
あなた
じゃ、俺エマちゃんのとこ行ってくるから。何かあったら呼んで。
龍宮寺 堅(ドラケン)
ん、頼んだぞー。
あなた
はーい。


万次郎とドラケンにそう言うと、

私は『タッタッタッ』とドラケンの愛機に跨ったままのエマちゃんの所へと駆け寄る。

佐野 エマ
ねぇ、ケンちゃん酷くない?ちょーっとは優しくしてくれても良いのにさぁ。
あなた
照れてんだよ、多分。
佐野 エマ
絶対ない。


夜風にサラサラと流れる金髪を靡かせながら、「はぁ…」とため息を零すエマちゃん。


(ん〜、此方も何とも色っぽい。なんでこんなに2人は色気あるんだ?)


佐野 エマ
どしたの?めちゃ見てくんじゃん。
あなた
ん〜?

プリ小説オーディオドラマ