璃紅side

──翌日

勝負の時だ、絶対やってやる

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──新宿

勇輝は一声上げると手を振ってきた

今日の僕の作戦はこうだ

勇輝にキャリーケースを渡した後公衆トイレに行く

そこでウィッグを取って、このデカめのバックに入れる

メイクは最悪このままでも許容範囲

テーピングとか網とかもすぐ取る、見られたら恥ずい

そして仕事場に行く

午後6時で上がって、また公衆トイレに行く

そしてウィッグを被って、勇輝の家に行く

我ながら完璧だ

しかしこれは時間をフルに使ってるから余裕がない

勇輝、すまんがすぐに行かせてもらうぞ

僕は小走りでその場を去った

頑張れなんて久しぶりに言われた……

うちの弟なんて

｢仕事で失敗して給料減らされないでね｣とか

｢変に寄り道して来ないでよ、夕飯が勿体ない｣とか

辛辣ばっかだったから……

なんだアイツ！昔の澪見てるみたいなんだけど！

ってそんな事より早くウィッグ取んなきゃ

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──夜

仕事には何とか間に合った

ただ、今日に限って残業しなくちゃいけなくなった

そこは予定変わらなくていいんだよ！

とか思いながら結局終わったのは夜の8時だった

勇輝夜ご飯用意してくれてたのかな……

さすがに思い上がり過ぎか？

でも勇輝の性格考えると多分作ってるな……

ごめん！

残ること分かってからLINEで教えたけど……

返って来ないんだよね…！泣いた

怒ったかな………失礼過ぎるよな……こんなの

………家着いた…

勇輝は一人暮らしと言っていたからマンションだった

ここの5階……506……

        ピンポーン

僕はインターホンを鳴らした

しばらくの沈黙が続いて……

        ガチャン  ガチャ

鍵を開ける音とドアが開く音がした

な、なんだぁ……

僕はそう言ってその場に崩れた

勇輝はオロオロしながら心配してくれた

ふっ……ほんの冗談のつもりだったんだけどな

そういえば言ってないな

なんかすげぇ勘違いしてたのか、僕

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──リビング

そう褒めんなって、照れんじゃん

まぁ最短で１ヶ月やればステージに立てるくらいになるでしょ

あとは僕のカバー次第だな

とりあえず譜面はあともう少しで終わる

今日中には終わるかな

ここマンションだからあんまり音出すと迷惑だな

まぁ音が分かれば小さくても大丈夫

それであとは勇輝が歌いやすい上ハモを作ると

うん、なんとなくイメージ出来てきた

そう言われて目の前に出されたのは

もう2年くらい食べてなかった気がする

こういうのになると大体カレーだからな

そういえば勇輝料理出来るんだ

やっぱ一人暮らししてると違うな

いや僕も出来ないってわけじゃないけど

んーま！！

めっちゃ美味しい！

これ澪といい勝負してるわ

久しぶりの麻婆豆腐うまぁ〜

僕の胃袋は澪によって大きくなってるからな

小柄だからって食べないわけじゃないぞ

今日もまた集中出来そうだな〜

あ、作曲作業ね

やっぱ美味しい物食べてかないとやってけないし

そう言われてまた目の前に麻婆豆腐が用意された

わぁ〜めっちゃ幸せだ〜

僕は味わいながら頬張って食べていた

伝わるのかお前すごいな

さーてと、問題は………

風呂、だな……

なんとか入られないように仕向けないと

言わないと普通に入って来るタイプだろうなー……

どう切り抜けるか……

うーん……誤魔化すしかないけど……

ﾊｯ     あとでギターどのくらい出来るかチェックするって言ったら練習するのでは!?

僕天才か？キタコレ

来させない口実が見つかったぜ

   〜To Be Continued〜