璃紅side
──リビング
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凛桜side
──お風呂場
よっし、作戦成功
これでゆっくり湯船浸かれるわ
メイク落ちるけど多分平気でしょ
ウィッグだけしっかりやってれば問題なし
ジャー
さて、泡流したし湯船浸かろ〜
私は湯船に入った
あ、あとで澪に連絡しなきゃ
どうせ心配性なんだから今も不安がってんでしょ
いや〜私ってなんていい姉なんだ
まぁ弟大好き過ぎるのもどうかと思うけどねぇ……
………今のは絶対言葉にはしないでおこ
トントン
急に来た音にびっくりして湯船を叩いた
なっ……な…………なんで来るの!?
あ、危なっ!
入って来なかったから良かったけど……
ウィッグ堂々と置いてあるんですけど!?
気づかなかったとか…?
そのワンチャンに賭けるしかない……
そのあと、私は全然ゆっくりなど出来ず
水を浴びて気合いを入れた
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璃紅side
──リビング
いないし
マジでバレた…?
あーもー早過ぎだろ!
どうしよう……ほんとにまずい……
部屋紹介されてないから勇輝の部屋知らないし……
どこ行ったし……
もうダメだ……絶望しか見えない
それにしてもほんとにどこだし……
♪
どこだ…?音が一瞬聞こえた……
こっち……かな
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──勇輝の部屋
ここからだ
僕は部屋の前に来た
♪〜♪…
言葉は聞き取れないけど歌ってる
勇輝、だよな
………ノック……しよ
僕は満を持してノックをした
・
・
・
え?
全く反応無し?
この状況だとマジでそっち系なんだって思うけど?
……もうやけくそだ!
歌って……くれてる……
まだ改善点10個くらいあるぞ
これは精神面も根本的に鍛え直さなきゃな
そう言って僕は勇輝に近づいた
………この雰囲気…
あー鈍感で良かったー
勇輝はニコッとこっちを向きながらそう言った
その顔でこっち見んな(*' ▽'*)
勇輝は左足を下ろし、右足を組み直した
姿勢絶対そのまま真似したから鏡になってんだよね
♪〜
………うん、いい感じ
これなら練習して1ヶ月でステージに立てる
売れたら今の仕事辞められるぞ
〈※あまり楽しいと思ってない様子〉
それより気になったんだけど……
なんだコイツ金持ちか
じゃあなんでバンドなんて目指そうとしたんだろ
……あんま深入りはしないけどさ
へぇ……かっこいいじゃん
気持ちが本気であればあるほど僕も本気になるよ
僕は部屋に案内されて、そのままベッドに入った
明日は定時くらいに終われるだろうし、今日よりは練習出来るだろうな
そして、明日から仕事と練習の日々から始まるのだった
〜To Be Continued〜
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。