第54話

50時間目
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2021/03/13 01:05

シャーッ!と勢いよくカーテンが開いて、朝の日が部屋に差し込む。
『ンヌン……………』
実弥「オラ、起きろォ」
いつもと違う朝に、思わず目が覚める。
『わっ…あれ、不死川せんせ…おはようございます?』
実弥「…はよ、寝れたかィ?」
『いえっさ…』
実弥「ハハッ、まだ寝ぼけんじゃねェか」
『(笑っとる…)』
不死川先生は玄弥の枕元に立つと、しゃがみ込んで玄弥の顔をビンタした。
『え゛っ』
玄弥「スピ~~~」((爆睡))
『やべえ…』
実弥「コイツ、アホみてぇに起きないんだよなァ…後でいいか」
『(良いんだ…)』
実弥「朝ごはんトーストだけど良かったか?」
『え、用意まで…!大丈夫です、ありがとうございます!』
実弥「ああ」
階段を降りると、フワッとトーストの焼けた匂いが漂ってくる。
チン!と音がしたから、多分今焼きあがったようだ。
実弥「ほら、ジャムそっから選んで塗んなァ」
『わ、凄い!種類沢山あるんですね』
キッチンに並べてあるジャムは、きっちりと並べられている。
不死川先生が並べてたら可愛いなあ…笑
いちご、オレンジ、ブルーベリー、りんご、レモン…ピーナッツバターもある。
私はその中からりんごのジャムを塗って、皿にのせた。
実弥「適当に座っといてくれ、飲み物は何がいい?」
『え、私もやりますよ!』
トーストをテーブルに置いて、キッチンに戻る。
実弥「ココアとコーヒー、カフェオレとか牛乳くらいしかねェけど」
『いや充分すぎますって、私の朝の飲み物は水道水ですよ』
実弥「ギリギリに起きてんだなァ…」
『眠くて…笑』
ホットココアを注いで、混ぜていると不死川先生が何かをマグカップに入れた。
『?』
実弥「マシュマロ…ってワリィ!
いつも寿美と貞子にやるみてえに入れちまったァ…」
『え、せんせ、何それ…ッ!可愛い許す…!!!』
実弥「チッ……」
『急に怖い…でもありがとうございます!
マシュマロ私も今度から入れてみようかなあ』
スプーンでかき混ぜると、とろとろと溶けていくマシュマロが可愛く見える。(え?)
実弥「いーから早く食え!」
『はいっ!』















実弥「これから家帰んのかァ?あー…じゃあ送ってく」
『えっ!いやいや近いので大丈夫ですよ?』
実弥「んな事いーから、早く出る準備しろォ!」
『ひ~~~!』
上着を着て、つっかけてきたサンダルを履いて外に出る。
『うわ…朝だけど冷える…』
実弥「んな短パンで外出たら寒ィに決まってんだろ」
『でもこれしか着てきてないんですよ…とか言ってるうちに着きましたね』
実弥「ちっっか…」
『ですよね笑笑 あまりの近さに驚きますよね』
実弥「え、ここあなたの名字ん家なのかァ…!?
確か、お母さん仕事で居ないことになってるよなァ…」
『はい!今は一人暮らしみたいな感じです』
実弥「ヘェ…そうかィ風邪引くなよ…じゃ、後でなァ」
『はい!また学校で!』
不死川先生が歩き出したのを見て、私は家に帰った。


















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「あなた…何処に行ってたんだ…??」
「あ…玄関の音だ…朝帰りとか何処の男の所だよぉ…」

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