緑谷視点
相澤先生は1冊のノートを見せた。
相澤先生は、1枚の写真を取り出した。
僕は声が出なかった。写真に写ってたのは、真っ白な部屋…ベットと机と椅子、そして窓が1つ…それだけの部屋だ。
……こんなのまるで…。
相澤先生は、僕に綺想さんの日記を渡してきた。
僕はノートのページをめくる。
ノートには僕達をけなす言葉がたくさん綴られていた。
……しかし…。
麗日さんと蛙吹さんと本当に友達になれた気がした。私のことをヴィランだと知っておきながら、あんなに優しくしてくれるなんて…。とても嬉しかった。
今日はみんなと勉強会。黒霧に色々と教えてもらっていたから、ある程度はわかっている。緊張したけど、教えるのは楽しかった。
今日はテストがあった。実戦テストの相手は校長先生。ペアは上鳴と芦戸。私を信じてくれて嬉しかった…協力して掴み取った勝利はなんともいえないほど格別だった。
そして…
これは最後の日記になるだろう。私は沢山彼らを騙してきた。騙されたことを知りながらも、私に寄り添ってくれる人、よりを戻して、また協力できる心強さに頼もしさ…何もかもが初めてだった。
でも、私は彼らを裏切るのが仕事…。私の心は変わってしまった。でも、立場は変わらない。私はヴィランである自分に全てを捧げる。
私は、ヴィランとして、彼らの前に立ちはだかる。…覚悟は決めた。もう2度と戻れない道に誓う。
ここで日記は終わっている。
僕はまたペラペラとページをめくる。
最後のページにきた。
最後のページには、こう書かれていた。
青山優雅
芦戸三奈
蛙吹梅雨
飯田天哉
麗日お茶子
尾白猿夫
上鳴電気
切島鋭児郎
口田甲司
砂藤力道
障子目蔵
耳郎響香
瀬呂範太
常闇踏陰
轟焦凍
葉隠透
爆豪勝己
緑谷出久
峰田実
八百万百
クラスのみんなの名前、そして、ページの端に…。
My Heroes
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。