第22話

ヒーローになりたい訳
378
2020/12/22 11:42
放課後ー保健室ー
あなた視点
あなた
あなた
…失礼します。
私は保健室に入る。
リカバリーガール
リカバリーガール
はい、いらっしゃい。
あなた
あなた
お茶子ちゃんは…どうですか?
リカバリーガール
リカバリーガール
まだ目を覚まさないねぇ…。
あなた
あなた
そうですか…。
私はうなだれる。
リカバリーガール
リカバリーガール
…あんたは何も悪くないね。
あなた
あなた
えっ…。
リカバリーガール
リカバリーガール
お前も痛い思いをしたじゃないか。
リカバリーガールはガーゼと絆創膏だらけの私を見る。
リカバリーガール
リカバリーガール
友達は、痛みも分かち合うものさ。
あなた
あなた
友達……。
ちがう、私は利用しているだけ。都合のいい関係だから…。
リカバリーガール
リカバリーガール
なんだい、お前達は友達じゃないのかい?
あなた
あなた
……。
リカバリーガール
リカバリーガール
少なくとも、麗日あの子はお前さんのことを友達と思っているだろうね。
そんなのわかってる…でも、どうでもいいのだ。だって、麗日はヒーロー、私はヴィランだから。
リカバリーガール
リカバリーガール
友達だからお前さんを庇った。友達だからお前さんを信じているんだよ。
あなた
あなた
…そんな。
リカバリーガール
リカバリーガール
友達でいたいなら、ちゃんとお前さんも一緒にいてやらないと…ね?
あなた
あなた
……。
麗日は、私を信じている…そんなの知っている。私を…友達だと……裏切らないと……。
リカバリーガール
リカバリーガール
さて、私ゃ少し離れるとするかね。
リカバリーガールは保健室を出て行った。
私は麗日が寝ているベットに行く。
麗日は、ガーゼと包帯を巻かれた顔を出して寝ている…思ったよりも怪我が酷い…まあ、あの3人の攻撃をくらえば…当然か。
私は近くの椅子に腰掛ける。
………………………………………………………………
夕日が部屋の中に差し込む…。
お茶子
お茶子
……あなた…ちゃん?
あなた
あなた
お茶子ちゃん、おはよう。
麗日が目を覚ました。
お茶子
お茶子
おはよー。
あなた
あなた
……ありがとう…。
お茶子
お茶子
えっ?
あなた
あなた
私を…助けてくれて。
お茶子
お茶子
……そんな、友達として当たり前だよ。
あなた
あなた
友達…ふふっ、そうだね。
……麗日は私を信じている…友達なら…そう思ってくれているなら……、私も、信じていいよね。
あなた
あなた
ねぇ、お茶子ちゃん。
お茶子
お茶子
何?
あなた
あなた
もしも、私がヴィランだったら、どうする?
お茶子
お茶子
えっ……うーん…。
あなた
あなた
……。
私は鎌にかけた。
お茶子
お茶子
あなたちゃんが許すなら、私は、「友達」として関わりたいかな。
あなた
あなた
…ヴィランだとしても?
お茶子
お茶子
うん!
おかしなやつだ。こんな私を信じてくれるなんて…。
お茶子
お茶子
…私ね、デク君の言葉を聞いて、考えたんだ。
お茶子
お茶子
それで思ったの。ヴィランとヒーローの心が揃えば…ヴィランもヒーローも、仲良くできるんじゃないかって。
あなた
あなた
…そっか。
「友達」…として…。
あなた
あなた
それじゃあ、私も「友達」として関わりたいな。
お茶子
お茶子
ふふっ。
お茶子
お茶子
ねえ、私も聞いていい?
あなた
あなた
何?
私は少しドキッとした。
お茶子
お茶子
なんで、ヒーローになろうと思ったの?
あなた
あなた
えっ…。
予想外の質問だ。…これは、真実を話そう。ヒーロー…昔はなりたかったから。
あなた
あなた
…オールマイトがね、助けてくれたの。
お茶子
お茶子
ほほー。
あなた
あなた
私が6歳の時ね、ちょっとした大きな事故に巻き込まれちゃって…。
あなた
あなた
そのどさくさに紛れて、私を誘拐しようとしたヴィランがいたのよ…!
お茶子
お茶子
ええっ!
あなた
あなた
でも、オールマイトがすぐに駆けつけてくれてヴィランを追い払ってくれたの。
お茶子
お茶子
そうなんだ…。
あなた
あなた
…助かった代償もあるけどね。
お茶子
お茶子
あなた
あなた
事故の衝撃で、全身麻痺になったの。
お茶子
お茶子
ぜ、全身麻痺?!でも、いまこうやって動いているよね…!
あなた
あなた
こうやって動けるのは個性のおかげ、個性がなかったら、私は動かない人形だったよ。
あなた
あなた
…オールマイトに会いたくて…ヒーローになりたくて私はリハビリして、そして、雄英に来たの。
お茶子
お茶子
そうだったんだ…。

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