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第3話

迷い込んだ先は...
996
2021/08/23 12:32
ユウ
ユウ
はぁっ...はぁっ...
僕はユウ。
僕は今、青い火を吹く変な狸から逃げている。
一体、何処まで来たのか。辺り一面には、木、木、木。少し薄暗くて不気味な森に迷ってしまった。
一度立ち止まって息を整える。ずっと走っていたから少し苦しい。
ユウ
ユウ
ここ...何処だろう...
ユウ
ユウ
ん?
僕の目線の先には2階建ての大きな家。いや、お城があった。
薄暗い森のど真ん中にたたずむそのお城みたいな建物は光に反射してなのか、キラキラ輝いて見えた。
ユウ
ユウ
(あそこに行ったら、、助けてくれるかな?)
とにかくあの狸から逃れたい。

そう思う一心で、黒いお城に向かって歩き出した。
ーーーーー
ユウ
ユウ
やっと着いた...
お城に着いたのは数十分後だった。結構距離があったな...。
それにしても此処は何なんだろう。

色とりどりの花々や、庭のど真ん中には立派な噴水。薔薇のアーチなどもある。人は住んでるようだ。
?『ねぇ、』
ユウ
ユウ
(ん?)
後ろから聞こえた人らしき声。少し声が高いから女の子かな、?
声が聞こえた方に体を向けると、
?『君、迷子なの?』
肩まである栗色の髪に、ピンクがかかった桜みたいな色の瞳の少女がいた。
?『此処は寮生以外、立ち入り禁止だよ』
ユウ
ユウ
す、すいません!
ユウ
ユウ
あ、あの...変な狸から逃げてたら、ここに迷ってしまって...。本当にすみません...迷惑でしたよ、ね?
少女は不思議そうに首を傾げると、
?『別に迷惑じゃないよ。ただ、ここに人が来るのは珍しいなぁって。そうだ、貴方の名前は?』
ユウ
ユウ
ユ、ユウで、す...
ナギ
ナギ
私はナギ。ここのストーメスト寮の1年生。ここの寮は私を合わせて4人の寮生がいるの。
ユウ
ユウ
ストーメスト寮...?
ナギ
ナギ
うん。ここストーメスト寮は精霊の森のなかにある寮。だから、人以外にも、精霊も来る。
ユウ
ユウ
精霊...
ナギ
ナギ
怖がることはないよ。ここに来る精霊は皆心優しい子たちばかりだから、安心して。
ユウ
ユウ
う、うん
ナギ
ナギ
少しだけストーメスト寮を案内してあげるね
ナギちゃんという女の子は僕の方を向き、手を差し出してきた
ナギ
ナギ
いらっしゃいませ
ナギ
ナギ
ストーメスト寮に_。
僕はその子の手をとり、歩き出した。


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