美咲side
チャイムが鳴っても
私は目を閉じたままだった
「じゃあ、この問題を出席番号13番の人といてー」
先生の声でハッと目を覚ます
私どもくらい寝てた?
今は数学の時間。
ってことは私2時間分も寝てたってこと?!
…やってしまった…
ただでさえ私頭悪いのにー…
あわてて教科書とノートを出す
すると、隣からクスクスと笑う声が聞こえた
この笑い声……まさか…
「おはよー、佐藤さん」
いい、いつからいたの?!
朝はいなかったはず……
とにかく、伊野尾が来たってことは、私がやることはただ一つ
何があっても2人きりにならないこと!!
また変なこと言われたりするのは嫌だからね‼︎
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!