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第19話

第2章
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2018/10/29 12:11
「もう、なにがそんなにおもしろいのっ!?」

純子から離れて、ちょっとすねた口調で言った。

私にもわかるようにちゃんと話してよ!

「だってさあ、普通ケータイの機種なんか、あんなふうに聞かないでしょ!あれはね、メアド聞いてたの、メアド!」

涼がもうガマンできないというように大笑いした。

な、なんか、バカにされてる?

みんなも笑ってるし~…。

ひとしきり笑ったあと、涼はにっこり微笑んだ。

それはもう、見とれちゃうくらい可愛くね。

「まあ、自信を持てとは言わないけど。そんなに自分を下に見なくてもいいってことよ?」

「千夏もそう思う~っ。だからね、今まで通りでもいいかもだけど、もしこれから先輩と関わるようなことがあったら、無理に関わるのをやめようとしなくてもいいんじゃないかな?」

「つまり、自分の気持ちに正直になれ、ということだ」

みんな口々に、励ますような、優しい言葉を紡いだ。

私、がんばってもいいのかな?

好きでいて、いいんだよね……?

「うん……!そうだよねっ。みんな、ありがと!」

相談に乗ってもらえて、心も軽くなった。

それに、どうしたいかも心に決まった。

私は感謝の意味を込めて、最大級の笑顔を見せた。

「ああ~、やっぱあんた、かわいいわ。いろいろとがんばれ、いろいろと!」

「うふふっ。千夏、亜希のこと応援するよお~!」

「佐伯とかいう男に渡すのはもったいないな。私が亜希をもらいたい」

なんか、よくわからないけれど、みんな応援してくれるらしい。

ほんっとうにいい友達を持ったね、私!

「あ、でも。とりあえず今は現状維持、かな。もし関わることがあったら頑張るけど」

ほんというと、もう関わることなんかないんじゃないかって思う。

だって、ケータイのことも偶然だし。

1年近く見てきた今日まで、話したのだってこの前の1回だけだもん。

まあ、この先なにが起こるかは、わからないんだけど。

「とりあえず、うちらは見守ってるわ!なんかあったら話してよ?女子にいじめられたりしたら、ぶっ潰すし!」

涼の口からなにやら物騒な言葉が聞こえたけど。

私のことを思ってくれてるんだよね。

「話を聞いた限りでは、亜希は先輩とやらと普通に話せてたようだし、大丈夫だろう」

そうなんだよね。

いざ喋ってみると、緊張したけど意外と普通に対応できてたんだ。

ああやって喋るまでは、姿を見られるのも恥ずかしいなんて思ってたのに、不思議だ。

「なんだか、なにか起こりそうな予感がするぅ~!!」

きゃいきゃいと騒ぐ、賑やかな資料室の中。

千夏が楽しそうにつぶやいたこの言葉が、まさか現実になるなんて、この時の私はまだ知らなかった。

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