第15話

第2章
82
2018/10/17 10:58
長かった英語の授業が終わって、10分休み。

「亜希~、おはよう~! 心配したんだよ?」

目を潤ませながら言葉をかけてくれたのは、千夏。

大きくてクリッとした目からは、今にも涙がこぼれ落ちそうだ。

「心配かけてごめんね。昨日からいろいろあったんだよ~!」

「まあ、無事だったから安心したけど。で、昨日あのあとどーなったわけ!?」

ホッとしたような顔をしていた涼が、いきなり詰め寄ってきたからびっくり。

昨日逃げたくせに。

もし涼が昨日逃げてなかったら、今日遅刻しなかったかもしれないのに!

まあでも、いくら人気とはいえ、中原先輩は見た目チャラいし怖そうだし、逃げたくなるのもわかるけど。

「ん? そういえば昨日何があったんだ?」

純子は不思議そうな顔をしている。

同じく千夏も。

でも、今話すには時間ないしなあ。

「ん~、とりあえず、いろいろ! 今時間ないし、授業始まるから放課後に話すよ~!」

私がそう言うと、みんなは「わかった」と笑って、手を振りながら自分の席に戻っていった。

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