それから時は流れ___
私は23歳になったある日
親と大喧嘩して家を飛び出した
行くあてなどなかったが、私の足は沖縄へと向かっていた___
───沖縄───
8月10日 21時
私は座りこんで暗い海を見ていた
どうしてここにいるかと言うと
話は遡って数時間前___
沖縄に着いた私は場所を確認しようと荷物から目を離したすきにひったくりにあった
「ひ、ひったくり…!?」
私は必死にひったくりを追いかけようと走り出してた
だが……
「…はぁ…はぁ…どうしよ…はぁ…
逃げられちゃったよ…」
夢中で走ったせいか今自分がどこにいるかも分からなかった
「ま、迷子…?!これからどうしよう…」
と現在に至る___
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!