第21話

#21話 親友の彼氏
37
2020/12/23 06:21
田崎 理緒
田崎 理緒
なんや、二人して一緒に登校する
なんてめずらしいな
梶丸 静
梶丸 静
銀髪おはよ
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
もう、いいでしょべつに
朝一の教室・・・そこには、にやにやと
二人を冷やかす理緒の姿があった。
昼休み・・・
田崎 理緒
田崎 理緒
ええ!あ、赤髪と付き合うことになった?
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
しーーー!
声がでかいよ
田崎 理緒
田崎 理緒
ご、ごめん
冴夜は、恥ずかしそうに
でも少し嬉しそうに静と付き合うことに
なった話を教えてくれた。
田崎 理緒
田崎 理緒
(彼かのなんて、実感なかったけど
親友に彼氏おるってことは・・・)
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
理緒も、見つかるといいね
好きな人
田崎 理緒
田崎 理緒
う、うん・・・
意識しなくても、ついつい
考えてしまう・・・

あたしにも、彼氏とか
できるのかなって・・・
その時だった。
カツカツと足音が聞こえ、すぐに
静が入ってきたとわかった。
田崎 理緒
田崎 理緒
(あ、赤髪・・・)
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
三道 縁
三道 縁
しず君から、会いに来るなんて
珍しいっスね
そう言った三道君の横を通り過ぎ、ガシッと
冴夜の腕を掴んだ静か静。
梶丸 静
梶丸 静
悪いな緑、今日はこいつの方に
用事があんの
爽やかに微笑み、パチリと
ウィンクを決めた静は「行くぞ」と

言って、そのまま昼ごはんを食べに
冴夜を誘拐してしまった。
田崎 理緒
田崎 理緒
冴夜、あんなに嬉しそうな顔
初めて見たかも・・・
三道 縁
三道 縁
しず君が、小豆沢さんを
連れて行ったってことは・・・
理緒と三道君は、クルリと向き合い
同時に声を発した。
田崎 理緒
田崎 理緒
一緒にお昼!
三道 縁
三道 縁
委員会活動!
田崎 理緒
田崎 理緒
え?
三道 縁
三道 縁
お昼?二人で食べるんスか?
その時理緒は、思った。

三道君は、恋愛にはうとい
鈍感野郎なんだと・・・
田崎 理緒
田崎 理緒
もう、いいわ
冴夜もおらんし、一緒にごはん食べよ
田崎 理緒
田崎 理緒
三道君
理緒は、自分の席に座ると
ポンポンと隣の席に座るように
三道君に合図する。
三道 縁
三道 縁
え、っと・・・
それは、つまり・・・俺が理緒さんの
隣に座れってことですか?
田崎 理緒
田崎 理緒
そうやけど
理緒は「?」と不思議そうに
首を傾げ、黙々と巾着からお弁当箱を
広げている。
三道 縁
三道 縁
(理緒さん、警戒心無さすぎじゃ
ないスか?)
三道 縁
三道 縁
(俺も一応・・・男なんですけど)
三道君は、軽くため息を
こぼしながら理緒に言われた通り
隣の椅子に腰掛けた。
田崎 理緒
田崎 理緒
ん?
三道 縁
三道 縁
え?
田崎 理緒
田崎 理緒
な、なんか・・・
圧迫感?
田崎 理緒
田崎 理緒
冴夜が隣に座るのとは、また
違った感じやね?ハハハハ
三道 縁
三道 縁
(今頃気づいたんスか?この人)
三道 縁
三道 縁
俺、デカイし隣にいると
邪魔じゃないスか?
「よいしょ」と離れようとした
三道君のYシャツを、思わず掴んでしまった理緒。
田崎 理緒
田崎 理緒
ま、待って!
田崎 理緒
田崎 理緒
圧迫感なんて言って、ごめん
今日は冴夜もおらんし、誰かそばに
いてほしい・・・
田崎 理緒
田崎 理緒
それだけじゃ、だめ?
三道 縁
三道 縁
!!
今まで理緒を、意識していなかった
三道君はドクドクとうるさい心臓を、
ギュッと手で押さえた。

「だめ?」なんて、簡単に言わないでほしい・・・
そんなこと言われたら・・・
三道 縁
三道 縁
しょうがないスねえ
三道 縁
三道 縁
だめじゃないです。
隣で食べますから、手を離して
欲しいっス
自分がすんなり理緒に従ってしまったのは、
理緒さんが変に可愛いこと言うからだと

自分を説得した三道君なのでした。

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