冴夜は、重いため息を吐きながら
静のYシャツを引っ張る。
なぜ、冴夜が静にハンバーガー屋さん
を案内しているかというと…
1時間前
学校の廊下で、こんな会話を聞いた
静が、理緒が立ち去った後に冴夜に話し
かけたせいだった。
最近は、静の失言により
なかなか目も合わせてくれなかった
冴夜だったが、時と時間が経過すると
静への怒りも少し落ち着いたのだ。
静に、言い寄られ困っていた冴夜だったが、
なんだかデカイ犬にでも懐かれた様な
喜びがあったので、仕方なく付き添いを、
許可したのだった。
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本屋さんが建つビル付近の近くの道路に
2週に1っ回現れるハンバーガー屋さん。
冴夜は、こんなぐらいではしゃいでいる
静に、少し新鮮な気持ちになった。
冴夜は、ぷぅっと頬を膨らませ
冴夜は、ニィッとイタズラ気味に笑った。
冴夜は、プツンと何かが切れた様に
動かなくなる。
こんこんと、静が冴夜の頭に
軽くノックするが、返事が返ってこない。
ようやく口を開いた冴夜は、そう
静に質問する。
いつも垂れ目に近い冴夜の目が、
少しつり気味に目を見開いている。
静も、数秒何も喋らなくなり
道路の隅で、睨み合う2人の男女は
周りから見れば、ケンカでもしている
のでは、と思うほどだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。