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第22話

#22話 二人だけが知る掟 【最終話】
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2020/12/23 06:21
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
ごめん、今日は静君と帰るから
田崎 理緒
田崎 理緒
うん・・・わかったー
梶丸 静
梶丸 静
行くぞ
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
ちょっと、待ってよ
パタパタと走り去る冴夜の
後ろ姿に寂しさを覚え出した

今日このごろ・・・親友の彼氏が
憎くて憎くて、腹立たしい理緒なのであった。
教室に戻ると、黒板消しを
一人でしていた三道君が残っていた。
田崎 理緒
田崎 理緒
みーどーうー君ー!!
三道 縁
三道 縁
(また戻ってきたっスね・・・)
田崎 理緒
田崎 理緒
はあ、はあ
三道 縁
三道 縁
いいかげん、しず君の恋の
邪魔をしてあげないで欲しいっス
意外にも冷静な三道君に
注意を受け、ガビーンと落ち込む音が
聞こえたとか聞こえないとか・・・
田崎 理緒
田崎 理緒
だって、だって・・・
パタパタと、窓から粉を落とすと
三道君はやれやれと笑いながら・・・
三道 縁
三道 縁
困った理緒さん、俺が一緒に
帰ってあげますから、落ち込まないで
そう、理緒を励ましてくれた。
田崎 理緒
田崎 理緒
み、三道君・・・
理緒は、ジリジリと三道君に
近づくと・・・
田崎 理緒
田崎 理緒
抱きしめていい?
と答えたので、すかさず
三道 縁
三道 縁
ダメです
と、三道君に振り払われてしまった。
*帰り道*
三道 縁
三道 縁
理緒さんって、見かけによらず
子供みたいですよね
呆れ顔で三道君は、笑っていた。
田崎 理緒
田崎 理緒
そうかな・・・あたし、子供っぽい?
いつもなら、「なんでや!?」
とか言ってツッコンでくれる理緒は、
どこか上の空で・・・瞳も曇っていた。
三道 縁
三道 縁
理緒さ〜ん
田崎 理緒
田崎 理緒
な〜に〜?
三道 縁
三道 縁
そんなに、彼かのに興味が
あるなら、俺たちも付き合ってみます?
田崎 理緒
田崎 理緒
え〜?
三道 縁
三道 縁
って、聞いてますか?
田崎 理緒
田崎 理緒
え・・・・
三道君の提案に、我に帰った
理緒は、顔色がサーっと青くなる。
田崎 理緒
田崎 理緒
それは、ほんまに言ってるの?
三道 縁
三道 縁
(やっと、こっち見た)
三道 縁
三道 縁
そうっスよ・・・
俺も、理緒さんとなら・・・彼氏
彼女、やってみても良いかなって・・・
田崎 理緒
田崎 理緒
////
三道 縁
三道 縁
なんとなく提案しただけなのに、
理緒の顔は真っ赤で、少し涙が光っていた。

自分に言われのが、そんなに嬉しかったのかと
思い、思わず三道君も、顔が熱くなった。
三道 縁
三道 縁
変な人ですね・・・
田崎 理緒
田崎 理緒
み・・・くん
田崎 理緒
田崎 理緒
三道君、あたし・・・
三道君にそう言ってもらえて嬉しいわ
田崎 理緒
田崎 理緒
なんでか、わかんないけど
ずっと、こうなったらええなって、
思ってた。
田崎 理緒
田崎 理緒
夢じゃ、ないよね?
三道 縁
三道 縁
・・・夢じゃ
ないですよ。
三道君が、なぜ今そんなことを
言ったかわからない。

彼の気まぐれだったのかも・・・
それでも、付き合うことになれたのが、
本当に嬉しかった。

最初はそんな感じ・・・・・

でも・・・
【三道君と付き合って三ヶ月後】
小豆沢 冴夜
小豆沢 冴夜
アハハ、あの二人
またやってる・・・
梶丸 静
梶丸 静
おーい、理緒は体重が
重いんだからそんなに、担ぐなよ
田崎 理緒
田崎 理緒
はあ!?静
何言ってんの?
三道 縁
三道 縁
理緒さん、あんまり
動かないで!
三道君は、肩車をして
理緒を持ち上げていた。

たまに、4人で遊んだり
二人きりで三道君とデートしたり・・・

人をなるべく避けていたと、三道君は
言ってたけど、理緒と過ごして

少しずつ自分を閉じ込めていた掟やルールに
縛られず過ごすことができるようになっていた。
三道 縁
三道 縁
だけど
田崎 理緒
田崎 理緒
ん?
三道 縁
三道 縁
俺が忍術見せれる人は、じいちゃん
家族・・・そして理緒さんだけです。
三道 縁
三道 縁
忍者は秘密を明かしません。
田崎 理緒
田崎 理緒
何言ってるの?三道君ってば
三道 縁
三道 縁
べつに、良いっスよ。
信じてくれなくても
田崎 理緒
田崎 理緒
嘘やで、信じるよ
ずっと・・・
三道 縁
三道 縁
ハハハ
田崎 理緒
田崎 理緒
アハハ
気がつけば、自然と繋いだ手・・・

気がつけば、掟は二人だけの秘密になった。

ーENDー

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