パタパタと走り去る冴夜の
後ろ姿に寂しさを覚え出した
今日このごろ・・・親友の彼氏が
憎くて憎くて、腹立たしい理緒なのであった。
教室に戻ると、黒板消しを
一人でしていた三道君が残っていた。
意外にも冷静な三道君に
注意を受け、ガビーンと落ち込む音が
聞こえたとか聞こえないとか・・・
パタパタと、窓から粉を落とすと
三道君はやれやれと笑いながら・・・
そう、理緒を励ましてくれた。
理緒は、ジリジリと三道君に
近づくと・・・
と答えたので、すかさず
と、三道君に振り払われてしまった。
*帰り道*
呆れ顔で三道君は、笑っていた。
いつもなら、「なんでや!?」
とか言ってツッコンでくれる理緒は、
どこか上の空で・・・瞳も曇っていた。
三道君の提案に、我に帰った
理緒は、顔色がサーっと青くなる。
なんとなく提案しただけなのに、
理緒の顔は真っ赤で、少し涙が光っていた。
自分に言われのが、そんなに嬉しかったのかと
思い、思わず三道君も、顔が熱くなった。
三道君が、なぜ今そんなことを
言ったかわからない。
彼の気まぐれだったのかも・・・
それでも、付き合うことになれたのが、
本当に嬉しかった。
最初はそんな感じ・・・・・
でも・・・
【三道君と付き合って三ヶ月後】
三道君は、肩車をして
理緒を持ち上げていた。
たまに、4人で遊んだり
二人きりで三道君とデートしたり・・・
人をなるべく避けていたと、三道君は
言ってたけど、理緒と過ごして
少しずつ自分を閉じ込めていた掟やルールに
縛られず過ごすことができるようになっていた。
気がつけば、自然と繋いだ手・・・
気がつけば、掟は二人だけの秘密になった。
ーENDー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。