第10話

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2022/05/15 06:46
メンバー1
メンバー1
見たから
清春
清春
…何を
メンバー1
メンバー1
ミーティング中に上司がお前のケツ触ってたし
メンバー1
メンバー1
トーク履歴見て確信したね
清春
清春
スマホ勝手に見たん…?!
メンバー1
メンバー1
そこら辺に置いといてる方が悪いだろw
メンバー1
メンバー1
清春が枕営業してたなんてね
清春
清春
………
メンバー1
メンバー1
男がレイプされたとか引くわ


もうあの時のことを思い出したくないのに、考えたくもないのに、過去の傷を拙い言葉で抉ってくる。
メンバー1
メンバー1
お互いのために黙ってろよ

そう言うと部屋から出ていった。

こんな時でさえ一滴も出ない涙に怒りすら覚えた。
やり場のない思いが自分の中に蓄積されていく。


気持ちを切り替えて皆のところに戻った。
慶一郎
慶一郎
おかえり
慶一郎
慶一郎
何話してたん?
清春
清春
なんかプロデューサーから伝言を頼まれていたみたいで…
慶一郎
慶一郎
あー、なるほどね
清春
清春
はい…
もし上司に抱かれていることが市川くんにバレたら。
市川くんの優しい目が、汚いものを見るような白い目に変わるだろう。メンバーよりも鋭利な言葉で深い傷をつけてくるかもしれない。

そんな事市川くんはしないという確信がない。
市川くんのことを疑いたくなんかないのに。
慶一郎
慶一郎
?…
慶一郎
慶一郎
どうした?顔色悪いぞ
市川くんの手が顔に近づいてきた。 
抱いている時に顔を触ってくる上司が脳裏に浮かんだ。
清春
清春
っ!!
咄嗟に手から顔を背けてしまった。
慶一郎
慶一郎
うおっ、
慶一郎
慶一郎
ごめん、熱気になって
清春
清春
あっ…いえ、すみません…
清春
清春
びっくりして…
上司のことを思い出すだけで吐き気を及ぼす。
頭の中で浮かぶ気持ち悪い笑顔に身体が拒否反応を起こしている。
慶一郎
慶一郎
それは全然気にしないけど
慶一郎
慶一郎
本当に顔色悪いぞ、冷や汗かいてるし
慶一郎
慶一郎
今日はもう帰った方がいいんじゃない?
清春
清春
でも…
慶一郎
慶一郎
ライブ控えてるんだから休んどけ
清春
清春
……
慶一郎
慶一郎
メンバーには俺から言っとくから
慶一郎
慶一郎
プロデューサーにだけ言いな
清春
清春
…すみません…、ありがとうございます


言われた通り、プロデューサーに伝えに行った。
清春
清春
すみません…。吐き気がして気持ち悪くて…
プロデューサー
顔も血色ないね。大丈夫?
プロデューサー
最近レッスン多かったし疲れ溜まってんのかもな
プロデューサー
今日はこのまんままっすぐ家帰るのか?
清春
清春
はい
多めに持ってきていた手荷物をまとめた。







プロデューサー
…清春、俺はお前の味方だからな











清春
清春
……ありがとうございます…



プロデューサーの口から発せられる言葉を信じれなかった。


頼りない足取りで長い階段を下りた。

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