針に糸を通すような、か弱く切ない声で謝罪の言葉を発した。
自分なんかを想って泣いている人を初めて見た。
その言葉を聞いた瞬間に、緊張の糸がプツンと切れた。
今まで溜め込んでいた物が全て涙となって流れ出た。
泣きたくても涙が出ず、泣けなかった日々が続いていたせいもあって涙が止まらなかった。
身体の震えを抑えるように強くギュッと抱きしめてくれた。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
車で帰ろうとしたのだが、市川くんが
「1人で家にいるのは危ないからこっち来い」
と言ってくれたのでその言葉に甘えた。
場所を教えてもらい風呂場に向かった。
たまたまお風呂からあがった小太郎とすれ違った。
まだ市川くん以外のメンバーとは話せない。
そそくさと浴室に入った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。