第8話

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2022/05/10 18:43
メンバー1
メンバー1
次は顔だからな
舌打ちをして、痛みに悶えてる清春を置いて出ていった。

まだ腕がズキズキする。





どんなに辛くても涙は出てこない。
こんな日常に身体が慣れを覚えている。
痛みが酷い。
跡になる前に冷やさないと、そう思い立ち上がって荷物をまとめた。












ブー、ブー

ポケットに入れていたスマホが鳴った。

誰からの連絡かなんて分かりきっている。












上司
[待ってるよ]
上司
[早くおいで]
清春
清春
清春
清春
[わかりました]

鉛のように重たい足で上司の元へと向かう。
遅れた分だけ酷い仕打ちが待っている。


この世界に、絵本に出てくるような「ヒーロー」なんていない。誰も助けようとなんてしない。
見て見ぬふりをしてその時が過ごすのを待っている。
自分の人生に絶念していた。









翌日、9bicのメンバーの1人が清春たちを外食に誘ってくれた。
もちろん断る理由も無いので外食に行った。



外食先は、一席3人までしか座れず、3、3、2に別れて座るしか無かった。
慶一郎
慶一郎
…じゃあ俺2人のとこ
市川くんが率先して、きっと誰も選ばない2人席のとこを選んで座ってくれた。
メンバー1
メンバー1
あっ、じゃあ俺たちはー…
三波斗
三波斗
俺らは2、2でテキトーに座ろ〜
あまり大人数での外食は得意じゃない。
どちらかというと苦手な部類だった。
自分のことを話すのが好きじゃない清春からしたら、質問が飛び交う外食は地獄そのものだ。

1人でも人数が少ない方がいい。
迷わず2人席を選んだ。
清春
清春
俺市川くんと座っていいですか…?
慶一郎
慶一郎
いいよいいよ
慶一郎
慶一郎
座んな
各自席について料理を注文した。
慶一郎
慶一郎
清春何頼んだ?
清春
清春
あっ、お、俺これ頼みました
慶一郎
慶一郎
俺もそれ迷ったわ
パッと見の外見が怖くて近寄り難かったが、話してみると人の良さがすぐにわかった。
















慶一郎
慶一郎
うわ…、手についた
慶一郎
慶一郎
ごめん、紙ナプキン取ってくれる?
清春
清春
あ、全然いいですよ
清春
清春
1枚ですか?
慶一郎
慶一郎
うん
紙ナプキンを取ろうと手を伸ばした。
慶一郎
慶一郎
あっ、清春袖つきそう
清春
清春
えっ
料理につきそうになった袖を市川くんが引っ張った。

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