引っ張った拍子に袖がめくれて、昨日出来た痣を見られてしまった。
市川くんが清春の反応を伺うように見つめた。
半信半疑のようだった。
この言い訳に無理があるのは自覚している。
強い力で踏まれたせいで痣が思っていたよりも紫色になってしまい、ファンデーションでも隠せなかった。
なんとかこの場をしのげた。
絶対に誰にもバレてはいけない。次は確実にバレる。
9bicとレッスンを初めて1ヶ月。
一緒にご飯を食べて以来、市川くんがすごく話しかけてくれるようになった。
まだ会話がもたないし、自分からも話しかけられない。けど、市川くんと話している時はリラックスしている気がした。
言われるがまま着いていくと、ある一室に入れられた。
部屋に入るなり、胸ぐらを掴んで清春を壁に打ち付けた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。