第11話

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2022/05/17 16:32




清春
清春
(あれ…車の鍵忘れた…)



車の鍵をどこかに置いてきた。




といっても、大体検討はついている。

いつも清春だけが使っている物品庫。





メンバーから数々の嫌がらせを受けてきた。
以前は同じ部屋に物を置いていたのだが、壊されたり、捨てられることが多々あった。


それから、もう誰も使っていない物品庫に貴重品を隠していた。
誰も使っていないが故に、ホコリ臭くて綺麗とも言えないが、物が無くなるよりはマシだ。
物品庫に入って車の鍵を探した。
清春
清春
(なんであんなとこに…)
他に忘れ物がないか入念に確認した。


すると、普段開かない扉がキィーっと不快な音を立てて開いた。
清春
清春
(え?)
逆光で顔が良く見えない。


太陽光の方向が変わり、段々と誰か明らかになっていく。























上司
久しぶり















清春
清春
…なんで……



清春と目が合うなり、背後から抱きしめた。

上司が出張に行っていてしばらく会っていなかった。
久しぶりの抱きしめられる感覚が上司との行為を思い出させる。
清春
清春
っ嫌や!!


身体にまとわりつく腕を力ずくで振りほどいた。
上司
っ…たっ…

振りほどかれた勢いで上司が床に手を付いた。

今のうち、そう思いドアに向かって走った。





上司
逃げるな!!


気持ちの悪い言葉を囁いてくる、いつもの低い声じゃない。清春を震撼させるような大きい声に鬼気を感じた。









何ヶ月も言いなりにされていたせいで、身体が思うように動かない。

足が小刻みに震え、腰が抜けた。





清春
清春
あ…ご…、ごめんなさい…
清春
清春
ごめんなさ…



清春の謝罪なんて耳に入っていない。

ドアの前に追い詰められた清春に近づいた。







上司
…お前の立場を1からわからせてやるよ

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