タプさん…どうしたんだろう。なんか寂しそうだった。ライブで見た時のタプさんじゃない。何かあったのかな。
『あなたちゃん??大丈夫?』
「あ、だ、大丈夫…です」
『あのさあジヨンにも挨拶してほしいんだけどねぇ…リビングで爆睡してるから…』
「ね、寝てるんですね…笑」
『寝てる笑 あと部屋がもう空いてないからさ、今日はタプのところで寝てもらっていい…?』
「は、はい!!!おやすみなさい。」
一礼をしてタプの部屋に向かった。
自分の一番の推しと寝れるなんて思ってもいなかった。心臓がとび出そう。
カチャッ…
扉をそっと開けるとタプが寝転がっていた。
「た、たぷさ~ん…きょ、今日だけ一緒に……」
『おう』
「あっ、ちょ…」
タプは上裸になっていた。顔が熱くなる。変態かよ私。
『おいで。』
「あ、えー、えっと…」
私はあたふたしながらもタプの隣にちょこんと座った。
するとタプは私に顔を近づけてきた。
必死に平常心を保つが、タプの手が私の頬に触れた時に勘づかれてしまった。
『…照れてる?顔、真っ赤だけど。』
「そ、そんなことないです!」
私はムッとした顔をタプに向けた。
タプは私の顔を見て ふふっ と笑った。
『可愛い…俺のファン、だよな…?』
「そうですよ…大好きです。」
私は一時期タプに本当に恋をしていた。でも普段は画面越しでしか会えないし、ライブで見てもそんな恋が叶うわけがない。私はなぜそんな彼に恋をしてしまったんだろう。本当に好きになったりして、馬鹿だなあ。
なんて思う日もあった。どうしても好きって思いを届けたくて、プレゼントボックスに手紙を入れたこともあった。
本当に好きになりました。
って。
『なあ、手紙で 本当に好きになりました。 って送ってくれてたよな。』
「え…」
『俺、あなたがプレゼントボックスに手紙入れていく姿
たまたま見かけたんだ。』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。