いつからだろう。
私が独りぼっちになってしまったのは。
私は去年両親と兄を亡くした。
原因は両親は正面衝突の事故。兄はそのショックからの自殺だ。
運転席に座っていた父と助手席に座っていた母は即死だった。
後ろの席にいた私と兄は命を落とすことは無かったのだが。
その後兄が両親を亡くしたショックのあまり自殺してしまった。
私のことを置いて。
ねえ、私まだ18だよ。
私は決まって夜いつも公園でこうして泣いている。
誰にも見られないように。
こういう生活も半年経てば慣れるもの。
でもやっぱり友達と遊んでワイワイしたかった。
おかげで高校も行くにも行けなくなってしまって通信に転校。
だから友達もいない。頼れる人もいない。一人は好きだけど独りは嫌だな。
「もうやだな…」
「……寒い…」
そう呟いた時背の高めの人が隣のベンチにぽつんと座った。
『ん。』
その人は温かい缶コーヒーを差し出してくれた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。