人混みの中を歩いてくじ引きの屋台にたどり着いた。
手をひょいっと出して、金!と言わんばかりに見つめる。
と言いながら渋々お財布から百円玉を出して私の手に乗せてくれた。
箱の中に手を突っ込んでガサゴソと探る。
屋台の人「どれどれ。…十等だね、はいポケットティッシュ。」
ガガガガーンッッッ…
※ ?????
ばぐった私を見て震えながら笑いを堪えるさとみ先輩。
とか言いながらも既に百円渡し済み。
先輩は手を入れて秒でくじを引いた。そんなんでいいの?運溜めないの?
(手を長く入れていても運は溜まりません。)
屋台の人「はいはい。…おぉ!一等だよ!」
そう言って屋台のおじさんが景品を取り出すのを待っていると。
屋台の人「はい、ぬいぐるみね」
さとみ先輩が少し嬉しそうにしているではないか。(((
屋台の人「彼女ちゃんにもおまけしようか。はい、同じやつね」
その後先輩の頬をぺちぺちしたりしながらも食べ歩きしたりなんかして全員集合。
.
はい、右向け右すると満足げにくまちゃんの片腕を握って手を繋いでる風にしてるさとみ先輩。(キャラ崩壊)
翌日、屋台巡りの時のさとみ先輩が変だったことを伝えると記憶はなかったそうだが、具体的にどんな風だったかを言うと「忘れろ」と脅された。
___________________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。