...目が覚めると、保健室の1番奥のベッドに寝ていた
そっと、体を起こす
ズキッ
先程イデア先輩に殴られた後頭部が痛むと同時に、先程の出来事が夢ではないということを自覚する。
下を俯き、ゆっくりと口を開ける
ポロポロと涙が零れる。
俺は、やってないのに。どうして?そんな言葉が浮かぶ。
リリア先輩に頭を撫でられる。その手つきはお母さんのように暖かく優しかった。
今はもう居ない母を思い出し、涙が溢れる。
・・・
目を袖で擦る。俺の袖は、涙で少し湿っていた
ベッドからおり、自分の寮に向かって走った。
いつまでもくよくよしてられない
この物語をハッピーエンドにしてやる。
他の誰かをバッドエンドにさせたとしても
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!