夏樹side
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しばらくして呼び出し音が切れると同時に
まっすーの声が聞こえた。
『 あ 、もしもし 、今大丈夫? 』
増 「 はい 、大丈夫ですけど .. どうしたの? 」
今いちばん聞かれたら困ること
聞かれてもうた(笑)
『 あーいや 、あー 、あのなぁ 』
増 「 何ですか 、言ってくださいよ 」
ふふふ 、て笑いながら聞いてくるこの声が
心地良くてついつい思ってる事を声に
出してしまう
『 今から会いたい 、とか 、思ってます 』
いやなんで俺こんなぎこちないねん!!
付き合いたての高校生カップルか!!
増 「 あ〜 .. すいません 、この後空いてなくて 」
答えはあまりにも予想外やった。
いや 、予想外ではなかったはず
まっすーだって仕事があるし俺以外に
友達やっていっぱいおるやろうし 、
やのに俺 勝手に浮かれてたんや(笑)
あかんめちゃくちゃ恥ずかしい
勝手に俺が誘ったら絶対来てくれるもんやと
思ってたし 、なんなら喜んでくれると
思ってた
あーあかんあかん。
『 そっか 、残念!また行きましょ〜 』
増 「 すいませんほんと .. また是非! 」
〝 また是非 〟 か。
また一気に恥ずかしさがこみ上げてきて
独りの部屋でソファに顔を埋めた
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to be continued
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。