次の日
正直みんなと一緒に行きたかったけど、
また昨日のようにみんなを失いたくなかった。
教室に着いても、うちは1人でいた。
退屈だけど…1人で居る時間は慣れている。
入院していた時は、ほとんど1人だったから。
もちろん、
ガラッ
教室の扉が開き、はるひが来た。
ころん達と一緒だ。
うちは思わず、そっちの方を見る。
誰もうちに目を向けなかった。
すとぷりの3人は視界にも入ってないように、はるひは避けるように。
うちも目を逸らそうとすると、ふいに1人がこっちへ来た。
はるひだった。
そっけなく、小さく言うと、彼女はすぐに自分の席の方へ戻っていった。
昨日のはるひの「あなたなんか…うざい!嫌い!」という言葉が頭を離れなかった。
昼休み
うちは言われるがままに屋上へ来た。
いつものようにはるひとモブちゃんがいるのかと思ったのに、今日は違った。
しかも…
すとぷりの、裏切られた3人。それと、はるひだった。
その言葉に、その表情に昨日の出来事が夢のように思えてきた。
まるで昨日のことは何も覚えていないみたいな、変わらぬ表情。
うちをいじめる時の、表情。
それぞれが構えた。
ジェルくんは…拳で、ころんは…ナイフ、るぅとくんは…鈍器。
当たったらただじゃ済まなそうだ。
うちが思わず目をつむった時、屋上の扉がばんっと開いた。
✄------キリトリ------✄
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。