ピ ... ピ..... ピ... ピピ...
聞こえてくる機械音の中で私は目を覚ました。
見えるのは見慣れない白い天井。そして、幼馴染のしゅんの顔だ。
焦った顔。それが、これは現実なんだと確信させる。
沈黙が訪れる。
何分たっただろうか。
それでもしゅんの心配そうな顔は変わらない。
そんなしゅんに笑って誤魔化す
顔を歪めるしゅん。
しゅんは、ゆっくり話し出した。
それは...
自分のことではないようで、とても受け入れられるような話ではなかった。
そして、しゅんが帰ったあと
私は茜色の空を見上げた。
美しくて、悲しくて私は目を瞑った。
信じたくない、認めたくない、嘘ではないだろうか
今まで私が頑張ってきたバレー全てを神に否定されたような気さえもした。
なぜ私なのか、自分でも悪いことはせず真面目に生きてきたはずだった。自分の何が悪かったのか。
そんな自己嫌悪に浸っては何回もしゅんの言葉を思い出す。
バレーをしない人生なんて考えたこともなかった。
バレーに全てを捧げてきた私に神はどう生きろというのだろうか。抜け殻となって生きろというのか。
私はこれから笑えるのだろうか...?
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。