あの女の人達がルンルン気分で帰ってから少しして私もあの人たちがいる部屋に戻った。
本当だったらもっと色々見て回りたかったけど、
どうにもあの女の人達の言動に気分が悪くなってやる気がなくなった。
長い階段を昇って無断でリビングに入る。
リビングにはナムジュンさんが本を読んでいた。
ローテーブルにはコーヒーが置かれている。
他の人は居ないみたい
そう言って床に座り込む。
そんなことを話していたらふとあることを思い出した。
自分の家族の存在
何も記憶にないから家族がいるのかも分からない。
アイドル?
アイドルの弟がいる。
ならその弟はどこにいるのだろう?
家族が死んだならすぐに私のいた病院に来るはず
でも病院の待合室にはこの人たちだけで家族のような人たちはいなかった。
死んだ姉の元に来ない家族なんて居ないだろう。
なら、嫌われているとしか思えない。
自分のことを嘲笑うかのような声でそう言うと、今まで想像したこともないような大きな声でナムジュンさんは叫んだ。
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to be continued…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!