あなたが入ってから数年
最初の頃は女であるあなたへのアンチが多かったが今では彼女の実力を認めて少なくなっていた。
最初の時にみせてもらった歌はさらに上手さに磨きをかけ、ダンスでラップもメインを張れるほどに素晴らしいものになっていた。
それと同時に僕らは不満が溜まっていった。
別にあなたの性格が悪いわけじゃない。
むしろ良すぎるほどだ。
あなたは完璧すぎる
何においても……
歌、ダンス、ラップ………
アイドルにおいてとても大切なこの3つを全て完璧にこなして、
いつだってあなたは謙虚だ。
物腰が低く、気を使えて
いつも冷たい態度をとる僕らにさえも尊敬を向けるような目で見てくる。
数年たった今でも僕らのことをさん呼びをして常に敬語で丁寧な喋り方だ。
完璧なんだよ……
完璧すぎるんだ………
弱音を吐かず、常に努力し続ける
鼻を高くせず物腰を低くして、常に優しい
実力も人柄も全てにおいて……
そんな人が近くにいると無意識にも僕らは自分たちと比べてしまう。
実力はあなたよりも劣っていると思ったことは無い。
同じぐらいだろう。
でも、僕らが休んでいる時だってあなたはずっと踊っていて
今だって完璧に覚えている振り付けをホソクに教えてもらって常に追求している。
そんな子を見れば自分はまだまだなのではと思ってしまう
この気持ちが『嫉妬』であることは分かってる
それをどうにかして、あなたと仲良くしなきゃいけないはずなのに……
to be continued…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。