第19話

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2020/10/19 02:04





あなたside




さっき来た道を戻った。






と言っても私は物に触れることが出来ないからエレベーターなんてものは使えなくて、
隣に設置されている非常階段を使った。



幸い時間はたっぷりある。



ゆっくり降りながら1階に着いた
(なまえ)
あなた
外に行ってみよう






外に出てさっき見つけたブルーシートの方に向かった。
(なまえ)
あなた
ここが私が死んだ場所






ブルーシートを潜り中を見ると警察の人が付けたであろう印やらなんやらがあった。
(なまえ)
あなた
血が滲んでる。



地面に赤黒く塗られているその血は間違いなく私のものだ。
でも、地面を見ても何も思えない。








ただ、酷い血の跡だと感じるだけでどこか他人事だった。
(なまえ)
あなた
昔の事知らないとダメなのかな





記憶が無いからどこか他人事
そんなの当たり前だろう。





自分が死んだという実感は全くしてこないけれど、壁は通り抜けるしものには触れられないしすれ違う人には見えていない。




こんな所で、私は一体何をしてるんだろう。
???
あ、ここが!もしかして…



そう言って女性達が来た。



走りながらブルーシートの中にずかずかと踏み込んで来る。
(なまえ)
あなた
なんなの…この人たち…


そう言っても彼女たちには聞こえていないよう
???
ねぇ、きっとここだよ。
みて、血が着いてるもん!





ただの野次馬か?
それならなぜこんな所に入ってくるんだ?



こんな人達が関係者なわけが無い。
???
うわ〜本当に付いてるよ…
1人はとても気味悪そうにそう言っている。
???
ここであなたちゃんが死んじゃったんだ…
え、
(なまえ)
あなた
私を知ってる?
???
やっぱり噂は本当だったんだね〜ここのマンションに住んでるって
???
どの階かな?
???
BTSの宿舎もここだって言ってたよね、もしかしたら会えるかもー!!



そんなことをキャッキャと言っている彼女たちにとてつもない怒りが沸きあがる
???
あなたちゃん正直邪魔だったから死んでくれて嬉しいな〜

笑顔でそう言っている彼女は一体どんな気持ちでいるんだろう。






当の本人が見えないとはいえ目の前にいるというのに、
(なまえ)
あなた
見えないから好き勝手言えるのか…
???
確か、このマンション10階以上上は一部屋しかないから10階以上の階に居るんじゃない?
???
えぇ〜!!ホントに!?会いたいんだけど!!






無神経なまでにこの場所とそぐわない明るい声を上げる。




その声が私の怒りをさらに蓄積させていく。
???
でも、今日は遅いしまた明日来ようよ!
???
そうだね!明日、やっと彼らに会えるんだ〜





そんな夢見心地な顔をして言っている




(なまえ)
あなた
あんたらに会わせるわけないじゃん、、


そんな言葉を言われているとはつゆ知らず、









ルンルン気分で女たちは帰っていった。















to be continued…。

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