ある日を境にぬなは僕の前に姿を表さなくなった。
おかしいと思い、電話をかける。
なんどコールがなってもずっと出てくれはしない。
心配が募り、僕はとうとうぬなの家に行く。
ぬなは一人暮らししているから、もしかしたら……なんて考えた。
ぬなの家に着くと、ドアが開いていた。
恐る恐る入ると、そこには照明がひとつ付いただけのへやがあった。
🐥「ぬな……」
と、ぬなを探す。
すると、奥の方にぬなはいた。
🐥「ぬ、ぬな!!」
🐥「もう、心配したじゃないですか!!いきなり僕のところにも来なくなったし一体どうしちゃったのかと……」
🐥「………え」
僕はぬなの目を見た瞬間、息を飲んだ。
👩「ろ……して…………こ………して………」
ぬなはずっとなにかを口にして、虚ろな目をして僕を見ていたのだ。
よく聞いた見た時、僕は鳥肌が立った___
" 殺して "____
🐥「ぬ、ぬな……どうしたの……?」
🐥「僕が……僕が話を聞くから!!ねっ?ほら、僕に話してごらん?」
そう僕は必死に言った。
でも、ぬなは虚ろな目で僕を見るだけだった。
そんなぬなを僕は抱きしめる。
すると
👩「すびん君………」
と、ぬなは僕じゃない男の名前を呟いた。
僕はすびん君とやらでもなんでもないのに
その時僕は察した。
ぬなは失恋をしたんだろうと
ぬなにとって初恋であった すびん君 。
そんな彼に振られて、精神が決して強いとは言えないぬなは少しおかしくなってしまったんだろうと。
その後の僕は、なんというか突発的だった。
ぬな以上にその男のことが許せなくなったのだ。
" そうだ、その男もぬなと同じ目に合わせてやろう "
そう思ったのもその瞬間だった。
これが僕の復讐劇をすることになったきっかけであり
これからの物語のスタートでもあった___
ねぇ、ぬな。
僕はぬなが望む姿になるから___
だから、僕をぬなだけのものに変えてくれ___
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。