第3話

2話
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2020/03/02 15:00




ぬなには好きな人がいるみたいだ。



ぬなはその人を すびん と呼んでいた。



僕は単純にその男を羨ましいと思った。



なんなら、顔も性格も知らないような男のことを恨むぐらいだ。



ぬなは寂しくなると僕のところに来る。



🐥「ぬなこそ、今日はどうしたんですか?」



と、聞くと



👩「なんとなく。今日もじみなはこうして夜遅くまで外に出てるのかなーって」



そう言って空を見上げる。



🐥「僕のこと、心配してくれるんですね。ありがとうございます」



なんていってふふっと笑う。



やっぱり ぬな ほど僕が落ち着いていられる人はいないみたいだ。




🐥「最近どうなんですか?ぬなは好きな人と」




さりげなくそう聞いてみる。




いつも変わりないとは限らないだろう。




少しでも僕に気持ちが向いてくれる日があるのでは無いかと少しの期待を胸に、会った時は毎回欠かさず聞いている。




👩「すびん君ね、最近毎日窓の方をよく見るの。」



👩「授業中も窓の方、ってか、外の方をずっと見ててさー……好きな人でもいるのかな……笑 なんて……」



🐥「ぬな……」



" そんな奴よりも僕にしてよ " なんて言えなくて



🐥「き、きっとうまくいきますから……!!」



そう言っていつも慰める。



僕の周りでは、僕はとても冷たい人間なのだと。



来る者拒まず去るもの追わずであると。



そう言われる。



そして僕は自分でいうのもあれだが、この財力と人材のおかげで欲しいものに困ったりすることもなかった。



もちろん女にも。



でも、そんな僕が1番欲しいものはすぐ目の前にあるのに



1番遠くの存在なんだよ、ぬなは__



🐥「こんな時間まで外にいれば明日は風邪をひくでしょうから早く家に帰った方がいいです。ぬなはただでさえ体が弱いのですから。」



そう言って僕は自分が来ていたカーディガンをぬなの肩にかける。




👩「じみな……いつもごめんね」



そういうと、にこっと笑って



👩「それじゃあ、ばいばい!!」



と言って帰っていった。



ずっと背中をみつめていた。



あの ぬな が僕の隣を歩く日はいつ来るんだろう



いや、もしかしたら その日 なんてそもそも存在しないのかもしれない。




そう思うと、自分がとても嫌になった




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