少しだけもどかしいままリビングに行き、
みんなでご飯を食べる。
我慢させられているからか、
早く食べ終わりたくて
彼との時間を過ごしたくて
箸が早く進む。
そう言ってほほえむから
ゆっくりとよく噛んで食べていく。
なんで彼らはそんなこと言うんだろう。
と、私の取り皿に置いてくれる王子様。
そう耳元で言うから
ますますわからなくなってくる。
みんなは私に何を隠してるの?
彼は私の手を引いて、
また部屋に戻った。
するとメールが来た。
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私はテヒョンさんが悪い人には見えなかった。
それに、悪い人ではないと思うし
なにを隠してるのかが気になったから。
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そのまま返事はしなかった。
YESをしたのに後悔するかもしれないと、
少しの不安が私を襲う。
あぁ。なんて可哀想なことをしたんだろう。
ごめんね。
思っていることを全て言葉にして伝えたい。
でも、言葉では伝えきれない。
そうやってまた、
私を狂わせる彼が
いちばん悪い人だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。