テヒョンが言うように、私の足元に置かれた携帯は
今もずっと着信を知らせていた
私…どれだけテヒョンに夢中で…//
電話越しのグクの声は
凄く焦ってるように聞こえて
ちゃんと連絡しておけば良かったって
心配かけちゃったな……って
罪悪感でいっぱいになった
テヒョンは私の手から
ヒョイっと携帯を取ると
戸惑う私に『任せて』と口パクする
電話口からは
何かを叫ぶグクの声が聞こえてたけど
テヒョンはそのまま、電話を切ってしまった
大丈夫…かな、、
電話を切った後、少し困ったように眉尻を下げ
私に携帯を返してくれる
テヒョンの言葉にドキッとした
彼の表情からは、何も読み取れなかったけど
"オトウト" その言葉の意味が
私には気になって…
グク……やっぱり怒ってた、、
帰ったらちゃんと、謝らないと
ふふっと微笑んで席を立つテヒョン
え…奪うって…私を?
テヒョン……どうして?
そんなの絶対………勘違いしちゃうよ
テヒョン……私の勘違いなら
そんな顔しないで
そんな愛おしそうに、私を見ないで
胸が苦しくて
あなたが愛しくて
居ても立っても居られなくなりそうだから
頭の中に自然と浮かんできた
思わず口をついて出そうになった愛の言葉を
グッと飲み込んで
彼の背中を見つめながら
自分でもどうしようもない衝動を
必死に抑えていた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!