それから毎日、私が学校に登校しても、麻有と話すことはあまりなかった。
そう、靴箱で偶然会って「おはよう。」と一言かわすだけ。
ある日、私が一人で読書していると耳に『コショコショッ』と小さな声が聞こえてきた。
??))ねぇ、聞いてぇ〜。
この嫌味そうに話している声は麻有だ。
ぷっははははっ!
そう思った。
いくらなんでもダメだと思う。
ひどすぎる。
私はそう思いながら、怒りを表に出さない様、注意して読書を続けた。
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しかし、
その数週間後に事件が起こった。
私が休憩時間から戻っていつもの様に机に座ろうとすると、
クスクス笑い声が聞こえた。
その方が楽だと思った。
でも、
現実は違った。
教科書を出そうとすると、『カサカサッ·····』机の中で奇妙な音がした。
机の中の物を出してみると、その音の正体は何と紙だった。
クシャクシャになっていたので紙をめくってみると
『パサッ』
持っていた手が震えて紙が手から静かな音を立てて落ちた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。