藍沢春乃side
満開の桜。
淡いピンク色の花びらがひらひらと舞って、
まるで雪が降っているみたい。
この学校で、2度目の春を迎えたんだ。
遠くから大きく手を振りながらやってくる。
私も手を振り返す
背の高いあなたと並んで、歩く。
雅紀と出会ったのは、一年前。
大学の入学式で隣だったあなたが、
話しかけてくれたんだ
温かい顔で笑うあなたに、すぐに惹かれたんだ
もうすぐ前期の授業が始まるから
教科書を買いに来たんだけど
授業開始の直前は、すごい人になる
なんて、笑って言ってくれるんだ
今、誰か呼んだ気がするんだけど…
あたりを見回しても、知り合いはいない。
気のせい、かな。
雅紀の言う通り、くだらいことを話してたらすぐに順番が来た。
申込用紙をチラッと見ると
わたしよりも4冊も多い(笑)
だから、わたしのほうが先に順番が回ってきたんだ。
無事に買い終えて、少し離れたところで雅紀を待ってたんだ。
また、さっきの声だ
振り向くと…
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人物紹介してなかったです。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。