雅紀side
さっきから、いや。
少し前から春乃の様子がおかしい。
上の空っていうか、考え事してるっていうか。
多分、お見舞いに行ってから、かな
って君は笑うんだ
櫻井さんと何かあった?
って、聞きたいけど、聞けなくて。
もしかしたら、他のことかもしれないし
って、2人して何かを考えてるんだ
小さな声で、カーテンを開けた。
ベッドで本を読んでた櫻井さんが顔を上げた。
頷くと何かを悟ったみたいに笑った
櫻井さんに直接確認しようと思って来てみたものの、なかなか言い出せなくて
あっ、やっぱりバレてた
今まで感じたこと、春乃の様子を伝えたんだ。
櫻井さんは、ベッドに座り直して、こう聞いてきた。
やっぱりなんかある
櫻井さんは、笑って、
そう呟いて、話してくれた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。