雅紀side
ピーンポーン…
その音で我に返った。
帰ってから今までずっとソファーに座ってて、ただ一点を見つめてた。
扉を開ければ、暑い空気と春乃の顔
俺、笑えてるかな?
汗を吹きながらそんなふうに笑うきみを見て、
このままでいいんじゃないかって思ったんだ。
ソファーに並んで。
どう言おうかって迷ってた。
見透かされてるような気がする。
きみは、怒る?それとも、悲しむ?
怒るとも、悲しむとも違ってて
春乃は、何も言わずに首を振るんだ
小さく隣で声がした。
今にも泣き出しそうな顔をしてて
頷くと、一筋涙が流れたのが見えたんだ。
こんなこと聞いても意味無いのかもしれない
俺って、言ってよ春乃
春乃は、下を向いたまま、口をきゅっと結んでる。
あの約束。
でも
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。