第12話

episode11
985
2022/03/06 04:59
あなた side ______

少しの振動を感じて目が覚めると車の中でさとみさんが肩を貸してくれていた

どこに行くのか聞くと病院って言われた

頭がほわほわして嫌だってことしか考えられない

思考回路もあまり回っていないらしい

病院の入口前に車が止まった

扉を開けると顔見知りがいる


兄「あなたくん久しぶりだね ニコ」

あなた『お兄ちゃん…僕帰る』

兄「しんどいんでしょ?早く治そ ニコ」


大丈夫といって兄さんに手を引かれながら病院に入る

さとみさんも一緒に着いてきてくれた

病院の中は僕の嫌いな薬品の匂いがする

直ぐに診察室に連れてこられた


兄「昔は暴れてたのに暴れなくなって偉いな〜」

あなた『僕子供じゃないです』

兄「はいはい ごめんね よし始めるか!」

あなた『兄さん帰ろ〜』

な「ダメだよ お兄ちゃんに治してもらお?」

あなた『無理無理 さとみさん』

さ「終わったら帰ろ?」

あなた『僕の味方誰もいないよ…』


僕が椅子に座って後ろから兄さんがバックハグするような形で診察が進む

さとみさんはずっと隣で手を握ってくれてる

そして何とか診察は終わった


兄「点滴した方が早く治るけど…」

あなた『絶対にしない!』

な「だよねwww でもやろ?」

あなた『ほんとにやだ!』

さ「俺たちそばにいるから」

あなた『さとみさんだけは味方だと思ってた…』

兄「すぐ終わるから 一瞬ね チクッ」

あなた『痛ッ!もうやだ』

な「目うるうるじゃん」


兄さんはそう言って頑張ったねって頭を撫でてくれた

自分が熱を出したりしてしんどい時は誰かに甘えたくなってしまうのが僕の悪い癖だ

でもたまにはいいでしょ?


さ「甘えたなの?いいじゃんたまには甘えて」

な「いつも頑張りすぎなんだよ ヨシヨシ」


次に気がついた時には自分の家のベッドの上だった

少し楽になった体を起こして部屋を出るとリビングから楽しそうな話し声が聞こえた


な「あなた起きた?どう?」

あなた『少し楽になった』

さ「それは良かった あの後寝ちゃったからね」

あなた『さとみさんにはお世話になりました』

さ「いえいえ」

さ「もうちょい甘えたなあなたさん見たかったな」

あなた『いやいや 記憶から消してください』

な「それよりあなた熱測ろ」


体温計を渡されて熱を測る


な「何度だった?」

あなた『37.8℃』

な「う〜ん まだ下がってないか」

さ「本人は楽そうだけどな」

な「今日は安静だね」

あなた『それよりお腹すいた』

さ「食欲あるだけマシだな」

な「そうだね さとみくんもご飯食べてく?」

さ「お言葉に甘えさせてもらいます」


3人で兄さんの作ったご飯を食べた

とはいっても僕の体調に合わせて卵雑炊だけどね


さ「じゃあ俺帰るわ」

な「ほんとにありがとね」

さ「いやいや いつも助けてもらってるしね」

さ「あなたさんお大事にね ニコ」

あなた『ありがとうございました』


イケメンスマイルでさとみさんは帰って行った


な「そういえば今日放送しようと思ってんだった」

あなた『そうなの?やったら?』

な「あなたは大丈夫?」

あなた『うん!大丈夫だよ!』

な「ありがとう」

な「でも1人だからって仕事しないようにね!」

あなた『ハイ…わかりました…』


僕の思考回路読まれてたのかな?エスパー?

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