あの。なんで!及川くんと二人きりにさせるんですか皆さん。てか皆さん帰らなくていいんですか。ほんと。
及川「ねー。あなたちゃん。アイツのこと好き?」
『っ!...好きでした...』
及川「なんで過去形??」
『あの...その...木兎くんの瞳には私なんか映ってないんですよ。木兎くんの瞳に映るその【誰か】が木兎くんを幸せにして欲しいんです。』
及川(あれ。名前)
及川「でもさ。なんでそう決めつけられる?」
『...今日...休憩を貰った時木兎くんに話しかけたの。そしたら...少し怒っててなんか、怒らせるようなことしたのかなって思ってその怒ってる木兎くんが怖くて逃げ出しちゃって...それで丁度会ったのが及川くん達だったんです。』
及川「なんでそれで決めつけちゃうかなー。多分アイツはあなたちゃんの事嫌いじゃないと思うけど。だって嫌いだったら嫌いな奴の店なんか来ないからね?」
『...及川くん。少しだけ...少しだけでいいから...抱きついてもいいですか...』
及川「うん!...?!?!?!?!え!あなたちゃんどうした!?」
ギュッ
『ごめんなさい...』そう言って涙を流す。
想いと一緒に。
代表になるならこの想い捨てなきゃいけない。代表に集中しなきゃいけない。顔を合わせても避けられるような今の関係じゃ、もう...木兎くんの瞳には私が映ることは無いから。
及川side
あなたちゃんはもっと自信もってよね。ねぇ、木兎、お前が早くしなければ俺がこいつを奪っちゃうよ。それよりも、俺の胸に頭をついて服を濡らさないように静かに泣いてるんだけど。
「あなたちゃん。涙なんて似合わないよ。ほら笑って?ほらもうすぐ花火が上がるよ。」
『私...顔洗ってきますね...』
「?...うん。行ってらっしゃい。」
そう言ってからまだ止まらない涙を抑えて下へ降りていった。そんでその後来たのが俺の仲間だった。
及川side end
あの後ろ姿は赤葦くん。声、かけてみよう...
『赤葦くん。』
赤葦「?あ、七瀬さん。」
(なんか、目赤い。泣いてたのか...)
『さっきは、トス上げてくれてありがとう。』
赤葦「いえ。あの...七瀬さん。泣いてたのって木兎さんことですか。」
『?!?!ち、違うよー』
赤葦「そうなんですね笑」
赤葦「木兎さーん。そんな所に隠れてないで出てきたらどうですか。」
『?!』
木兎「俺はいませーん」
赤葦グイッ(木兎を引っ張り出す)
「木兎さん。いいから仲直りしてください。七瀬さん。また 」ペコッ
『あ、う、うん』
沈黙が流れる。その沈黙を破ったのは私だ。
『今日は、ごめんなさい。なんにも見えてなかった。仲良くなれて舞い上がってた。少し近づけて、勘違いしてた。本当に、ごめんなさい。光太r...木兎くんの...瞳には自分が写ってないことなんて、分かってるから。』
だめ。泣いたら。
『一方的になったけど...今までありがとう。そして...少しの間だから...部活よろしくお願いします...じゃ、後夜祭楽しんでね。』
木兎「まって。あなた。なんで決めつけて、そんで逃げんの。おかしいだろ。俺も避けてたのは謝る。でも、俺ともう関わらないみたいな言い方すんなよ。」
『ごめんね』涙止まって...
木兎ギュッ
「もう泣くな。」
そう言って私を抱きしめ彼の暖かい大きな手で私の頭を撫でる。やっぱ、気持ちは捨てきれない。
『仲直りでいいですか。』
木兎「もちろん」ニカッ
木兎「もう、名前で呼んでくんないの?」
『木兎くんの彼女が出来た時申し訳ないから...』
木兎「そっか。」シュン
あとすこしで気持ち伝えるから待っててください。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。